
イタリアの国民的コメディエンヌであるパオラ・コルテッレージが初監督を務め、戦後ローマで逞しく生きる市民たちと権利を渇望する女性たちの姿を描き、第69回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で主演女優賞、助演女優賞、新人監督賞、脚本賞の4部門を受賞した「ドマーニ! 愛のことづて」が、3月14日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国で順次公開される。著名人のコメントが到着した。
〈コメント〉
デリアのことを「はて?」と言えない哀れな女性だと思っていたが、彼女の中にずっと「はて?」はあった。デリアが娘に残したものは愛以外のなにものでもない。その愛はきっと、今を生きる私たちの中にも流れている。
--明日菜子(ドラマウォッチャー)
女のくせに、ね。
息苦しいほどの家父長制、理不尽な暴力は、ミュージカル仕立てであってもあまりに悲惨で胸が痛む。それでもこの地獄を繰り返させはしないと立ち向かう、その様のなんと力強く、たくましいことか。次は私たちの番だ。
--宇垣美里(フリーアナウンサー・俳優)
デリアすなわちパオラ・コルテッレージ監督は闘う。そしてこの女性は高らかに歌い、命に等しい大切なものを勝ち取る。強く美しく、あろうことかとても楽しいシスターフッド映画!もう一度観たい、あのラストシーンを知った上でもう一度。
--大九明子(映画監督)
家事や家族のケアだって立派な労働なのに無能扱いされ、日にいくつも掛けもつ仕事の高いスキルは「女性だから」という理由で対価が低い。この物語の主人公は戦後すぐのローマに生きる女性だが、果たしてこれは“遠い国”の“昔”のお話だろうか?主に男性がデザインしたこの社会を生き抜く私たちは、彼女の扱われ方にきっと覚えがある。思いがけないラストに、我々は無力ではないはずだと連帯の涙が落ちた。
--奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)
人間の最大の武器はユーモアだと格調高きイタリア映画に学ぶ。
マストロヤンニ、ジュリエッタ・マシーナの微笑に幾度救ってもらった事か。
パオラ・コルテッレージの微笑も同様だ。胸踊るラストシーンを観て欲しい。
--武正晴(映画監督)
シリアスなシーンの中にミュージカル調の場面で安心させてくれたり、気持ちが重くなりがちなシーンもさすがコメディエンヌのエッセンスが入り、考えさせながらも愉快に見られた作品でした。主人公デリアは芯の強さを持ちながらもそれを表に出すことが許されない時代に生きた女性。そこの感情の起伏を抑える表情演技が最高に上手くて1946年に生きた女性そのものだった。暴力を振るわれるのが日常でそれでも家族の幸せを願うひたむきな姿勢に昨今の女性にはない、本当の強い女性をみた。
--友近(お笑いタレント)
根深い家父長制は女性たちを家庭に押し込め抑圧し選択肢を奪ってきた。
絶望の中でも社会を変えることを恐れない、そのアクションこそが私たちの権利だ。
--長尾悠美(Sister代表)
重く苦しい今日を乗り越え、未来に向かって軽やかに立ち上がる女性を描いた大傑作。
「まだ明日がある」その強いメッセージがしっかり胸に刻まれました。
こんな作品が大ヒットするイタリアが羨ましい!
--松尾諭(俳優)
〝それ〟は、希望の手紙。絶望的な世界に届いた光なのだ。
〝それ〟はあなたの世界を一変はさせないかもしれないが、私たちの未来を大きく変えるものだ。〝それ〟を得るためにどれだけの戦いがあったのだろう。光は強く祈り願わなければやってこない。そして、〝それ〟の力をわれわれはもっと信じたほうがいい。
映画を観終わった時、これほどまでに清々しく、顔を上げて口角が上がり息を吸い込みたくなる経験はそうそうないことだ。
『風と共に去りぬ』は、主人公の女性が「明日には明日の風が吹く」とたった一人で立ち上がるが、この映画は世界中に仲間がいることを知らせてくれる。
こんな青空みたいな楽しめる映画を私も撮ろうと思う。
「明日がある」。明日が、あるんだ。
--三島有紀子(映画監督)
Story
1946年5月のローマ。デリア(パオラ・コルテッレージ)はすぐに手を上げる夫イヴァーノと寝たきりの意地悪な義父オットリーノの相手をしながら、家事と仕事に追われる日々を送っている。⻘果店を営む友人マリーザや、デリアに好意を寄せる自動車工ニーノとのひと時だけが楽しみだ。
デリアの生き方に不満を抱く⻑女マルチェッラは、裕福な家庭のジュリオにプロポーズされ、貧相な自宅に招いて昼食会を開くことに。そんな中で謎めいた手紙を受け取ったデリアは、旅立ちを決意する--。
「ドマーニ! 愛のことづて」
監督:パオラ・コルテッレージ
脚本:フリオ・アンドレオッティ、ジュリア・カレンダ、パオラ・コルテッレージ
出演:パオラ・コルテッレージ、ヴァレリオ・マスタンドレア、ジョルジョ・コランジェリ、ヴィニーチオ・マルキオーニ
2023/イタリア/118分
原題:C’è ancora domani 日本語字幕:岡本太郎
後援:イタリア大使館 特別協力:イタリア文化会館 配給:スモモ
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