病気の療養を経て新聞記者に復職した主人公が、何気ない日常や社会との繋がりから心の居場所を見つけていく姿を描いたノルウェー発の物語「ヒューマン・ポジション」が、9月14日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開。ティザーポスターと特報映像が到着した。
新聞社に勤めるアスタは、ホッケーチーム、アールヌーボー建築を保存するための小さなデモ、クルーズ船の景気など地元の人々を取材してニュースにする。支えとなるガールフレンドのライヴは、デザインチェアを修復し、キーボードを演奏し、作曲する。子猫が歩き回る家で、料理を作ったり、古い映画を観たり、ボードゲームを楽しんだりと二人は穏やかな時を過ごしている。
そんな中でアスタが目にしたのは、10年間ノルウェーに暮らしてきた難民のアスランが強制送還されたという記事だった。事態を調べながら、アスタは自身を覆っていた無気力感を払拭し、仕事とプライベートの両方で“心の居場所”を見出していく--。
これが長編2作目となるアンダース・エンブレム監督が、故郷である美しい港町オーレスンを舞台に描出。監督はインスピレーションの源としてロベール・ブレッソンと小津安二郎を挙げており、劇中には「お茶漬けの味」の台詞が登場する。もう一つの主役といえる椅子、主人公を見守る子猫も印象的。
アスタを演じるのは、「HURRY SLOWLY」(原題)に続いてエンブレム監督とタッグを組んだアマリエ・イプセン・ジェンセン。ライヴ役にはマリア・アグマロ。静かで優しいスローシネマに注目したい。
「ヒューマン・ポジション」
監督・脚本・編集:アンダース・エンブレム 撮影:マイケル・マーク・ランハム 音楽:エイリク・スリニング 製作:スティアン・スキャルタッド、アンダース・エンブレム
出演:アマリエ・イプセン・ジェンセン、マリア・アグマロ、ラース・ハルヴォー・アンドレアセン
原題:A Human Position 日本語字幕:西村美須寿
提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サクセション 配給:クレプスキュール フィルム
2022年/ノルウェー/ノルウェー語/カラー/ビスタ/78分
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