提供:キネマ旬報
あんずと名付けられた子猫は、10年経っても20年経っても死なず、30年経った頃には言葉を喋る《化け猫》になっていた--。いましろたかしのコミックを、新星・久野遥子と名手・山下敦弘がW監督を務め、キャストに森山未來を迎えてアニメ映画化した「化け猫あんずちゃん」が、第77回カンヌ国際映画祭の監督週間に選出された。
実写映像をトレースしてアニメーションにする手法〈ロトスコープ〉を採用したのも本作の特徴。日本の長編アニメーション作品が監督週間に選出されたのは、細田守監督「未来のミライ」以来6年ぶり。ラインナップ発表会見では「子ども、若者、大人、すべての人に向けられた作品で、詩的であり不思議な生き物が登場する作品」と紹介された。
日本公開は7月19日(金)より。鮮やかなタッチで紡ぐ、可笑しくて心に触れる夏物語に注目したい。
〈直筆メッセージ〉
久野遥子監督
まさかあんずちゃんがカンヌに連れて行ってくれる化け猫だったとは…!
この1年半、日仏のスタッフでこつこつアニメーションを作ってきましたが、こんな形でスポットがあたるとは微塵も思っていなかったので本当に驚きました。
とても手作りで手探りな映画に関わってくださった方々に素敵な報告が出来てとても嬉しいです!
そしてこんなに楽しいアニメーションに、私と山下監督を誘ってくださった近藤プロデューサーにはカンヌでデカい肉を奢らせてくださいね。
山下敦弘監督
『化け猫あんずちゃん』がカンヌ国際映画祭の監督週間に選出…、
まず初めに何かの冗談かと思いました。いましろたかしが原作で、いまおかしんじの脚本で、『山田孝之のカンヌ映画祭』というカンヌに怒られそうな番組を作った俺が関わっているのに、なかなかカンヌも懐が深いです。
これも一重にアニメーション監督の久野遥子さんの頑張りのおかげなのだと思います。なのでカンヌで久野さんに海鮮を奢りたいと思います。とりあえず行ってきます。
森山未來
山下さん 久野さん
おめでとうございます。
今度カツ丼おごってください。
Story
雷雨の中、段ボールに入って鳴いていた子猫。和尚に拾われ、〈あんず〉と名付けられて大切に育てられた。だがおかしなことに、10年・20年経っても死なない。30年経った頃には、人の言葉を話し、人のように暮らす《化け猫》になっていた。
原付で移動し、マッサージの仕事をし、現在37歳。そんなあんずのもとへ、親子ゲンカ以来行方知れずだった和尚の息子が、11歳の〈かりん〉を連れて帰ってくる。しかしまた和尚とケンカし、かりんを置いて去ってしまう。
大人の前ではいつも“いい子”のかりん。あんずは渋々面倒を見るが、一筋縄ではいかない気配が……。
「化け猫あんずちゃん」
監督:久野遥子、山下敦弘
原作:いましろたかし『化け猫あんずちゃん』(講談社KCデラックス刊)
脚本:いまおかしんじ
キャスト(声・動き):森山未來、五藤希愛
制作:シンエイ動画×Miyu Productions 製作:化け猫あんずちゃん製作委員会
実写制作協力:マッチポイント
配給:TOHO NEXT
©いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会
公式サイト:ghostcat-anzu.jp