死の直前まで、ジャン=リュック・ゴダールはこの短編映画に手を加え続けた。その手で書き、色を付け、紙や文章をコラージュした。音楽とサウンドトラックの切れ目には、彼の声が聞こえる--。ゴダール最後の作品であり、2023年カンヌ国際映画祭クラシック部門で上映された「ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争」が、2月23日(金・祝)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国公開。ポスタービジュアルが到着した。
ゴダールに最も近かったスタッフであり、撮影と編集を手掛けたファブリス・アラーニョは明かす。「ジャン=リュックは紙に付箋を貼って映画のリズムをイメージし、映像と音を指示していたのです。私の目の前に映像が広がるのが見えました。今、この瞬間に存在する映画でした。驚くほどシンプルながら、映像と音が整っていくさまは、とても力強いと感じました。ジャン=リュックはこの映画を見て、“これが私の最高傑作だ”と言いました」
有名メゾンのサンローランが立ち上げた映画会社〈サンローランプロダクション〉が、「ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ」(ペドロ・アルモドバル監督、イーサン・ホークとペドロ・パスカル出演)に続いて製作した短編となる本作。同社クリエイティブディレクターのアンソニー・ヴァカレロは「本作を通じて、ジャン=リュック・ゴダールの類を見ない創作の過程のあらましが明らかになる」「そして同時に、決して日の目を見ることのない映画について、芸術家が思い浮かべたアイデアや参照元、イメージなどを示す草案でもある」と紹介した。《最高傑作》の全貌がついにスクリーンで明らかに。
「ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争」
監督・脚本・出演:ジャン=リュック・ゴダール
2023/フランス・スイス/フランス語/カラー/20分
後援:在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ日本
原題:FILM ANNONCE DU FILM QUI N’EXISTERA JAMAIS : “DRÔLES DE GUERRES”
提供:コムストック・グループ、ファインフィルムズ 配給:ファインフィルムズ、コムストック・グループ 映倫:G
© SAINT LAURENT – VIXENS – L’ATELIER - 2022