提供:キネマ旬報
1950年代半ばに彗星のごとく音楽シーンに現れ、後進のロックミュージシャンに多大な影響を与えたリトル・リチャード。その足跡と素顔を紐解いたドキュメンタリー「リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング」が、3月1日(金)よりシネマート新宿ほかで全国公開される。ティザービジュアルが到着した。
「ロックンロールはリトル・リチャードが始めた」(ミック・ジャガー)、「彼こそロックンロールの真のキングだ」(エルヴィス・プレスリー)、「初めて会ったとき、畏敬のあまり、硬直してしまった」(ジョン・レノン)、「歌で叫ぶのはリチャードの影響さ」(ポール・マッカートニー)など、数々のミュージシャンが偉大さを公言するリトル・リチャード。
ジョージア州のアフリカ系アメリカ人の家庭に生まれ、1955年の『トゥッティ・フルッティ』を皮切りにヒット曲を連発、反権力志向の若者の心を掴みながら活躍する。人気絶頂の1957年には突如引退し、「教会への回帰」を経て、1962年にロックに復帰。イギリスツアーを通じて無名時代のビートルズやローリング・ストーンズに決定的な影響を与えた。
同性愛者であることを公表し、派手な化粧をして歌ったリチャード。ピアノ演奏では左手でブギウギを、右手で打楽器的な打鍵を披露した。激しいリズムにのせてシャウトしたかと思えば、ピアノの上に立ち、さらに衣服を脱ぎ捨ててステージを駆け巡る--。その鮮烈さは今も色褪せない。
映画は豊富なアーカイブ映像に、リチャード本人や親族・関係者はもとよりミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ポール・マッカートニー、デイヴィッド・ボウイといった有名ミュージシャンの証言も交えて構成。性や人種をめぐる差別と偏見、時代の流行、信仰と音楽活動との葛藤を捉えつつ、陽気に見せながらもあまりに繊細だった《初期ロックの雄》の苦悩と闘いの軌跡を追いかける。鎮魂歌にして賛歌というべき一作。
「リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング」
製作・監督:リサ・コルテス
出演:リトル・リチャード、ミック・ジャガー、トム・ジョーンズ、ナイル・ロジャーズ、ノーナ・ヘンドリックス、ビリー・ポーター、ジョン・ウォーターズ
2023年/アメリカ/101分/カラー/ビスタ/5.1ch/DCP/原題:LITTLE RICHARD:I AM EVERYTHING
字幕:堀上香 字幕監修:ピーター・バラカン 提供・配給:キングレコード
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公式サイト:little-richard.com