幽霊をめぐるユーモラスな寓話。山科圭太監督「4つの出鱈目と幽霊について」

幽霊をめぐるユーモラスな寓話。山科圭太監督「4つの出鱈目と幽霊について」1
幽霊をめぐるユーモラスな寓話。山科圭太監督「4つの出鱈目と幽霊について」2

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「ホディ・リメンバー」の山科圭太監督が、幽霊の《出現》ではなく幽霊を《語る》ことに焦点を当てて4つの物語を紡いだ「4つの出鱈目と幽霊について」が、12月1日(金)よりシモキタ-エキマエ-シネマ K2ほかで全国順次公開。予告映像、場面写真、著名人コメントが到着した。

執筆中の小説家が街を彷徨う第1話「CAT IN THE FOG」。
姉妹が森で父親のオバケを探す第2話「SISTERʼS VIEW」。
同居人が突然、兄の幽霊になったと告げる第3話「幽霊を愛する方法」。
就活生が盲目の旅人と出会い、ある示唆を受ける第4話「むかしむかし、ある国で」。
それぞれの幽霊をめぐる語りは、時に重なりながらおぼろげに1つの世界をつくり、寓話性を伴いながら世界の在り方を仄めかす。

出演は「PLASTIC」「石がある」の小川あん、⻘山真治監督作の常連・⻫藤陽一郎、「サマーフィルムにのって」「やまぶき」の祷キララ、演劇と映画で活躍する伊東沙保、モデルや俳優として独特の存在感を放つ⻑井短など。音楽は東京塩麹の額田大志が手掛ける。

〈コメント〉
三浦哲哉(映画研究者)
これはおもしろい!「……え!?」の絶妙な間に込められた機知と色気とサスぺンスに、笑いつつ大感動。
あくまで優雅かつ軽やかなタッチで、この閉塞した現代社会にいつのまにか風穴を開けている。
なんとも不思議な「山科タッチ」の大ファンになりました。4つのパートとも甲乙つけがたく、いい!
小森はるか(映像作家)
あちらとこちらの境界に触れたとき、この映画の中に生きる人たちが、あぁそうなんだと、受け入れてしまうのが好きだった。
何が起きても、次の言葉は放たれ、会話は続いていく。歩むことを止めない。もっと疑いたくなるような現実を知っている人たちだから、変に驚かないのかもしれない。
どこか受け身であるがゆえのためらいのなさは、信じられるかどうかよりも、わからないまま探し続ける旅を選ぶ人たちの強さを映し出していた。
松田正隆(劇作家)
幽霊というのは、何かの怨念を抱いてそれなりの目的を持って現れて来るのだと思うけれど、この映画の幽霊には唐突感がある。
確かに、幽霊は突然なんの脈絡もなく出て来るものなのだ。しかし、前触れはあったのかもしれない。
その「前触れ」の方にこの映画は重きを置いている。前触れからの不確かなサイン。筋道としては出鱈目に思える時間の流れの中に「見えないものの出現のサイン」が混在している。
幽霊はその後にそっと顔を出しているにすぎないのだ。
小西朝子(テアトロコント キュレーター)
映画を見終わったあと、どれだけ鮮やかに頭の中に画が残っているか、またその思い出せる画が多いほど「良かったな」と思うのですが
「4つの出鱈目と幽霊について」は瞼の裏にいくつも印象的な色彩、緑に覆われた鉄格子の先のトンネルの出口、汽水域の水面などが残っています。
頭の中に残った画は、私の後日の解釈などで歪んでたり間違ってたりするかもですが、それもひとつの「幽霊」なのかもな……とこの映画にちなんで空想しました。
前原瑞樹(俳優)
心にすっと届いてくるようなそんな美しい台詞たちを、なんの気負いもなく軽やかに発している俳優さんたちの虜になりました。そんな俳優に僕もなりたいです。
次見た時には、また違う台詞がすっと届いてくるんだろうなという楽しみもあります。

「4つの出鱈目と幽霊について」
出演:小川あん、斉藤陽一郎、祷キララ、伊東沙保、吉田正幸、今野誠二郎、アイダミツル、生実慧、長井短、用松亮、森優作、奥田洋平、神田朱未、田中爽一郎、影山祐子、神谷圭介、深澤しほ、鳥島明
監督・編集・プロデューサー:山科圭太
音楽:額田大志 脚本:三宅一平、山科圭太
ラインプロデューサー:佛木雅彦 撮影・照明:倉本光佑、松島翔平、深谷祐次、山科圭太 録音・整音:坂元就 助監督:川田真理 制作:田中聡 スタイリスト:秋田百合美、7A ヘアメイク:石松英恵 宣伝美術:三宅宇太郎
助成:文化庁「ARTS for the future! 2」 製作・配給:GBGG Production
2023/日本/105 分/DCP/カラー・モノクロ/ビスタ/ステレオ
©2023 GBGG Production
公式サイト:4tsunodetarame.com

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最終更新日
2023-10-18 17:49:50
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キネマ旬報(引用元

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