提供:キネマ旬報
スペインを震撼させた事件をもとに、ある夫婦が移住した閉塞的な村で予期せぬ事態に見舞われていく姿を描き、第35回東京国際映画祭で最優秀作品賞にあたる東京グランプリ(東京都知事賞)、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞の3冠に輝いたスリラー「理想郷」が、11月3日(金・祝)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネマート新宿ほかで全国順次公開。ティザービジュアルと場面写真が到着した。
スローライフを夢見るフランス人夫婦のアントワーヌとオルガは、スペイン・ガリシア地方の山岳にある緑豊かな村に移住する。ところが村人は慢性的な貧困に喘いでいた。そして新参者を快く思わない隣人の兄弟シャンとロレンソは、夫婦の育てた農作物をダメにするなど嫌がらせをエスカレートさせる。そんな中、村の財政を潤わせる風力発電プロジェクトをめぐって村人と夫婦が対立し……。
監督・脚本は「おもかげ」(19)の新鋭ロドリゴ・ソロゴイェン。夫のアントワーヌを演じるのは、「ジュリアン」(17)「悪なき殺人」(19)「苦い涙」(22)のドゥニ・メノーシェ。妻のオルガ役には、「私は確信する」(18)「ヴィーガンズ・ハム」(21)「シャーク・ド・フランス」(22)のマリナ・フォイス。映画は2部で構成され、夫が主人公の第1部はスリラー、妻が主人公の第2部はラブストーリーの様相を呈する。
第35回東京国際映画祭の審査委員長ジュリー・テイモア(演劇・オペラ演出家、映画監督)は「格差、外国人排斥、都市と農村の隔たりなどを重層的に表現した並はずれた傑作」と称賛。同映画祭でグランプリと最優秀男優賞をダブル受賞したのは「最強のふたり」(11)以来となる。その他、第37回ゴヤ賞の最優秀映画賞や最優秀監督賞など主要9部門、第48回セザール賞最優秀外国映画賞など、世界で56の賞を獲得(2023.8.25時点)。カトリーヌ・ドヌーヴは「今年観た中で最も強烈な映画でした」と高く評価している。夫婦に何が起きるのか、劇場で目撃されたい。
「理想郷」
出演:ドゥニ・メノーシェ、マリナ・フォイス、ルイス・サエラ、ディエゴ・アニード、マリー・コロン
監督:ロドリゴ・ソロゴイェン 脚本:イザベル・ペーニャ、ロドリゴ・ソロゴイェン 撮影監督:アレハンドロ・デ・パブロ
2022年/スペイン・フランス/スペイン語・フランス語・ガリシア語/138分/カラー/シネスコ/5.1ch/原題:AS BESTAS/英題:THE BEASTS/字幕:渡邊一治
配給:アンプラグド 後援:駐日スペイン大使館、在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ
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