提供:キネマ旬報
国軍がクーデターで実権を握ったミャンマーで、若手映画作家たちが抑圧された民衆の日常を紡ぎ、ベルリン国際映画祭でドキュメンタリー賞、ブロンズ観客賞、アムネスティ国際映画賞を受賞した「ミャンマー・ダイアリーズ」が、8月5日(土)よりポレポレ東中野ほかで全国順次公開。ポスタービジュアルと予告編が到着した。
民主化に向けて変革が続いたこの10年、ミャンマー国民は自由と発展への希望を抱いてきた。しかし2021年2月1日、軍が再び国の支配に乗り出し、反発した民衆は全国でデモを敢行。“3本指”を掲げて軍政に抗議するが、一人の少女の死を皮切りに弾圧は激化していく。
インターネットが定期的に遮断され、軍に不都合なメディアやSNS投稿が処罰の対象となり、国内外への情勢伝達は困難に。そうした中、若いミャンマー人映画作家たちが匿名性を維持しつつ“ミャンマー・フィルム・コレクティブ”を結成。それぞれが生んだ短編映画と、市民がSNSに投稿した記録映像をシームレスに繋ぎ、圧制下における切実な“一人称の物語”を紡いでいく。
なお配給元の株式会社E.x.Nは、ミャンマー避難民を支援する団体・施設に配給収益を寄付する。ドキュメンタリーとフィクションを行き来しつつ、生々しい声の断片を伝える重要作だ。
〈レビュー〉
軍事政権下の恐怖を詳細に記録。--ハリウッド・レポーター
政治的にも芸術的にもパワフル。--シネヨーロッパ
示唆に富んだ芸術作品。--スクリーンデイリー
ゾッとするような光景。--ヴァラエティ
Story
2021年2月1日、軽快な音楽に合わせてエクササイズ動画を配信する女性。その背後では、軍の車両が慌ただしく集結していく。抗議活動に参加したため指名手配され、引き裂かれるパートナー。母親が理由もわからず拘束され、必死に抵抗する幼い子ども。軍と戦うために地元を離れて訓練を受ける若者たち。自身が拘束される様子を必死に配信するジャーナリスト。パンデミック中に一人で隣国に避難した女性は、ホテルで平和だった頃の記憶をノートに綴る--。
「ミャンマー・ダイアリーズ」
監督・制作:ミャンマー・フィルム・コレクティブ(匿名のミャンマー人監督たちによる制作)
原題:Myanmar Diaries/2022年/オランダ、ミャンマー、ノルウェー/70分/ミャンマー語/カラー/DCP/5.1ch
配給:株式会社E.x.N 宣伝:高田理沙
© The Myanmar Film Collective
公式サイト:www.myanmar-diaries.com