「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」「海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~」「国境の夜想曲」のジャンフランコ・ロージ監督が、膨大な記録映像と自身の撮り下ろし映像を織り交ぜてローマ教皇の姿に迫り、第79回ヴェネチア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門に出品されたドキュメンタリー「旅するローマ教皇」が、今秋よりBunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、新宿武蔵野館ほかで全国順次公開される。
難民が上陸するイタリア・ランペドゥーサ島から、コロナ禍のマルタ共和国まで、2013年から2022年にかけて37回で53か国を訪れたローマ教皇の旅を映画は追う。中東やアフリカでは紛争や難民問題を見つめ、アメリカでは平和について語り、イスラム教国のアラブ首長国連邦、被爆国の日本も訪問。カトリック教会での性的虐待を謝罪する姿も見られる。
「旅とは知的で精神的な修行だ」という教皇は、庶民が暮らす場所に赴き、その生活ぶりや苦悩を直接見聞きすることを大切にする。笑顔で手を振り、握手や触れ合いを拒まない。観る者は世界各地の情勢を目の当たりにしつつ、愛に満ちた教皇の姿に胸を打たれるはずだ。
ローマ教皇フランシスコ
1936年アルゼンチン生まれ。本名はホルヘ・マリオ・ベルゴリオ。2013年3月のコンクラーベ(教皇選出の選挙)で第266代教皇に選ばれ、フランシスコと名乗る。史上初のアメリカ大陸出身のローマ教皇であり、日本に初めてキリスト教を伝導したとされる聖フランシスコ・ザビエルと同じイエズス会から初めて選出された教皇でもある。大のサッカー好きで、明るく飾らない人柄が人気を集め、“庶民派教皇” “ロックスター教皇”などと呼ばれることも。2019年11月、ローマ教皇としては38年ぶりに日本を訪れ、長崎と広島で祈りを捧げたほか、東京ドームで5万人を熱狂させた。
「旅するローマ教皇」
脚本・監督:ジャンフランコ・ロージ
2022/イタリア/カラー/83分/イタリア語・スペイン語・英語/原題:In Viaggio
配給:ビターズ・エンド
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