2021年本屋大賞ノミネートの深緑野分による人気小説を原作とする劇場アニメーション『この本を盗む者は』が、12月26日(金)より、新宿バルト9ほか全国公開。
この度、【公開記念舞台挨拶】を開催!
本作の主人公である本嫌いの少女・御倉深冬役を務めるのは、今回が映画初主演&声優初挑戦となる片岡 凜。深冬を本の世界へ誘う謎の少女・真白は、同じく声優初挑戦となる田牧そらに加え、書店員の大学生・春田貴文役に土屋神葉、深冬の祖母・御倉たまき役の朴 璐美実力派キャストが登壇。
上映後の舞台挨拶ということで、読⻑商店街にある新刊書店「春⽥書店」で働く⼤学⽣、春⽥貴⽂役の土屋が「ネタバレを気にせず話します!」と高らかに宣言し、深冬の祖母、御倉たまき役の朴も「心置きなくネタバレしていきたいと思います」と続くと、福岡監督が「映画公開後ということで、ネタバレ解禁と言いつつ話せないこともあるので、気をつけながら頑張ります」とニッコリ。キャラクターデザイン、作画監督を務めた黒澤は「大ヒットするので、大ヒット!という“てい”で話します!」と元気に宣言し、笑いを誘って盛り上げた。公開前日は「ドキドキしすぎて眠れないかも…と思ったけれど、意外とぐっすり眠れました」と明かした福岡監督は「今日を迎えられてよかったなと思いました」と安堵。黒澤は「無事に公開できてよかったです。世界が滅びなくてよかったです!」と公開のよろこびを爆発させ、「(公開されてしまったら)なるようにしかならない!」と言いつつも、あとは大ヒットするだけと念押し、笑わせていた。
本の街・読⻑町の巨⼤な書庫「御倉館」を管理する⼀家に⽣まれた本作の主⼈公、御倉深冬役の片岡と、深冬の前に突然現れた謎の少⼥、真⽩役の田牧は本作で初めてのアニメーション声優に挑戦した。アフレコを振り返り、「すべてが初めてのことづくし」と話した片岡は「普段はセットの中で感情を乗せて物語や役に入っていくけれど、アフレコでは画の中で、決められた尺といろいろな制限のある中で表現します。難しいこともたくさん経験したけれど、その難しさが心地よくて幸せな収録でした」と充実感を滲ませる。田牧は片岡と一緒の収録だったことや、福岡監督の演出が優しかったと笑顔を見せ、「楽しみながらアフレコができました」と報告していた。
片岡、田牧がアフレコで、顔を見合わせたり、手を繋いだり、壁ドンなどをしながら収録したと明かされると、「ウッソ!」と朴が驚きの声を上げる。「家に上がるシーンで、実際に手を繋いで」と片岡と田牧が再現する「かーわいーい…」と目を細める朴。あまりのかわいさに、会場に向かって「みなさん、拍手をお願いします!」と観客に拍手をリクエストし、盛り上げる場面も。片岡と田牧のアフレコ方法については、「演技指導を考えた結果、(壁ドンなどで)田牧さんが掴めた気がするといい顔をしていたので、これかなと思って…」と経緯に触れた福岡監督。田牧は「人生で初めて壁ドンをしたけれど、イケメンの気持ちがわかった気がしました」と掴んだ感を解説。朴は「長いこと(この仕事を)やっているけれど、壁ドンはやったことない」と反応。土屋も「聞いたことないです」と続く。さらに朴が「なんで私にやらせてくれなかったの?」と福岡監督に問いかけると、福岡監督は「朴さんは一人の収録だったので…」とニコニコ。「福山潤の首を絞めるところとか、いろいろできたのに…」と残念がる朴に福岡監督も観客も大笑いだった。
土屋は劇中でキツネ、ニワトリの声もやっているとし、再現。「ニワトリを担当したのは僕だけじゃなくて…」と土屋が切り出すと、福尾監督が、「しお、タレ、ねぎまというニワトリがいて。塩が土屋くん、タレが諏訪部(順一)さん、ねぎまがこれだけのために声を入れた堀江瞬!」と微笑みながら明かし、劇中でキャラクターたちが食べた焼き鳥だとし、「あの鶏たちです!」とうれしそうに話すと、「なーんで私にやらせてくれなかったのかなぁ」とここでも朴から、「やってみたかった!」のリクエストが飛び、観客は大笑い。土屋は「鶏の声の違いも楽しんでほしい!」とお楽しみポイントのひとつとしておすすめしていた。
朴が演じるたまきは、劇中で圧倒的な存在感を放っている。「とてもおもしろくやらせていただきました」とニヤリ。「世界観が素敵な作品」と語った朴は、本を命と思ってやっていく仕事に携わっていると前置きした上で、「ドストライクの作品」と好みの物語だと強調。さらに朴は、「好きだなと思った作品で、筋を一本通したような役をやらせていただいたのはうれしかったです」と微笑んでいた。また片岡と田牧の声を聞きながらの収録だったと振り返った朴は「なんてナチュラルで、繊細な言葉が聞こえてくるんだろう。それをすっ飛ばしてやる!と思って演じさせていただきました」と役の特徴をアピールしながら語る。
たまきとの対峙シーンでは怒りのトーンを毎回変えて演じることを意識していたと話した片岡は、「たまきさんの声を聞いて最初はすごく圧倒されたけれど、後からだんだん悔しくなってきて。負けたくない!という気持ちになりました」と朴の芝居からの影響を指摘。朴の芝居について土屋は「怖さの上をいく、神々しさまであった」と話し、「それと対峙しているシーンがとても感情移入できました。クライマックスはすごく好きなシーンです」と片岡演じる深冬とたまきとの対峙シーンを絶賛していた。
印象に残っているシーンは「焼き鳥とか、おいしそうなご飯とかがたくさん出てきて。アニメーションならではのキラキラした描写に『おいしそうだね』と片岡さんと話していて…」とうっとりとした表情の田牧。アフレコ中は、おいしそうな描写に目を奪われ、「お腹がなって仕方がなかった!」と明かした片岡。ジャパンプレミアの際に、アフレコ中に空腹を防ぐ方法を話したことに触れ、今回は朴の対処法を尋ねたところ、「水を飲む」と回答。さらに、スタジオにはお菓子が置いてあることが多いと話した朴は「それにパクつきます!」と伝授!?していた。ジャパンプレミアに続き「馬刺しを食べる!馬の力を借りて…」と土屋が話すと、朴は「来年は午年だけにね」と綺麗にまとめたところで、来年の抱負を語るコーナーに突入。
2026年の抱負は「今年と同じように、来年もお芝居を追求する。お芝居しながら役を生きます!」と宣言した片岡。田牧は「来年、20歳になるので、自立した大人な女性になりたいです。がんばります!」と力強く語る。続く土屋は「30(歳)になってしまう。自立した大人になりたいです!」と答えて笑わせると朴が「54(歳)になってしまうので、自立した大人になれるように、がんばるので応援してください」と田牧から続く「自立した大人」宣言をしめくくった。「44(歳に)なるんですけれど」と微笑んだ福岡監督は、作品を作り終わって肩を壊してしまったそうで、「野球選手がなるやつですと言われて。アニメを作っていただけなのに…」と苦笑い。福岡監督の来年の抱負は「肩のリハビリをしなければいけない。頑張りすぎちゃった。最終日に500カットくらい直したから…」と壮絶なラストスパートを振り返ったところで、「(肩の調子が)気になったら、早く整体に行ったほうがいいです!」と呼びかけていた。「自立した大人になれたらいいけれど、この仕事についた以上、このままでいいかな」とニッコリの黒澤は「こんな感じでやります!」と満面の笑みを浮かべていた。
最後の挨拶で片岡は、YUKIが歌う主題歌「Share」にも絡め「思ったこと、感じたことを、感想をご家族や大切な方に“Share”して!」とリクエスト。田牧は「いろいろな見方ができる作品だと思うので何度でも楽しんでいただきたいと思います」と呼びかける。本を開く機会が少なくなっていると前置きした土屋は「本嫌いの人を連れてきて!」と本作に触れることで本の面白さを再確認してほしいと微笑む。朴は自身の役は温もりを与えるようなキャラクターじゃないけれどと笑わせつつ、「この作品を届けたいと思う人の気持ちが乗っている、そういう温かみを感じました」と見どころをあげる。黒澤は「1回目は何も考えず、感じて欲しい作品」とし、キービジュアルにある意図を考察してほしいと呼びかける。福岡監督は「またこのキャラクターに会いたい、この作品に会いたいそう思える作品です。そのために最後のあの展開があります」とラストの展開をほのめかした上で、深冬と真白、二人の物語をじっくりと堪能してほしいと伝え、公開記念舞台挨拶を締めくくった。
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映画 『この本を盗む者は』2025年12月26日(金)より全国公開中
©2025 深緑野分/KADOKAWA/「この本を盗む者は」製作委員会







