「『ありがとう』の往来が尽きない印象」と木村拓哉『TOKYOタクシー』大ヒット御礼舞台挨拶

「『ありがとう』の往来が尽きない印象」と木村拓哉『TOKYOタクシー』大ヒット御礼舞台挨拶1
「『ありがとう』の往来が尽きない印象」と木村拓哉『TOKYOタクシー』大ヒット御礼舞台挨拶2

昭和、平成、令和と日本に生きる人々を描き続けてきた山田洋次監督の91本目となる最新作『TOKYOタクシー』が、2025年11月21日(金)より公開。人生の終活に向かうマダムと、彼女を乗せたタクシー運転手。偶然出会った二人が、たった1日の旅を通し心を通わせていく感動のヒューマンドラマです。

公開後、早くも絶賛の嵐となっている本作。この度、本作の大ヒットを記念して『TOKYOタクシー』の大ヒット御礼舞台挨拶を実施し、イベントには倍賞千恵子さん、木村拓哉さん、蒼井優さん、山田洋次監督が登壇しました。

司会からの【公開後にどういった感想が届いているか】という質問に対し、倍賞さんは「『え!遺灰になったちゃったのね!?』という感想が多かったです。舞台挨拶に出てきた時に『倍賞さん生きててよかった』と言われたこともありました(笑)」と、上映後だからこそ語れるエピソードを披露しました。
木村さんは「今回のTOKYOタクシーに関しては、すごくお久しぶりの方からも連絡をいただきました。自分たちは監督のもとで作らせていただいた側なので、『観てくれてありがとう』と僕らが声を大にして言いたいところなんですが、観てくれた人が僕ら対して言ってくれる『ありがとう』という言葉がすごく印象的で。その言葉の往来が尽きない印象があります。」と語ると山田監督も「そうね」と相槌を打つ場面もありました。続けて「今ここ(感想の書かれたパネル)にすごく素敵だなと思う表現があったんですが、『にわか雨のように泣く』って書いてあるんです。予期せず、目の前で流れたストーリー・時間によって、感情があたかも反射のように涙が流れる作品を、監督が残し続けてくれているんですよね。」というと、山田監督はすかさず「僕は何もしてませんよ!」と応じ、テンポの良いやり取りに会場からは笑いが起こりました。木村さんはさらに「監督の一言に対して客席から笑いが起きるというこのやりとりもそうです。今まで監督が僕らに提示してくれた作品・時間・思い出の延長に今回のTOKYOタクシーもある。それに対して『ありがとう』なのかなと思いました。」と締めくくりました。
蒼井さんは「私は親友から『人の役に立って死にたいと思った』って連絡がありました。元々すごく優しい人なんですけど、『すみれさんの生き方を見て、自分も誰かの役に立ったり、浩二さんのように誰かに優しくできる人間になりたいと、明確に思った』という話をしてくれて、とても嬉しかったです。」と語りました。
また、山田監督は「この映画が封切られて翌日の土曜日、ポストに黄色いカードが入っていたんです。パトロールのお巡りさんが書いた紙で、メモ欄に『昨日新宿でTOKYOタクシーを観てきました。とても良い映画でした。監督さんありがとうございました。』と書いてあったんですよ。嬉しかったですね。お巡りさんが身近な人に思えて、幸せな気持ちになりました。翌日、派出所に行ってお礼を言おうとしたら本人はいなかったんですが、そしたら今週もまたカードが入っていて、『先日はわざわざお見えになってありがとうございました』ってね。本人の顔は見てないんだけども、黄色いカードを通してお巡りさんとの交流が始まったから、これは”幸せの黄色いカード”というべきかなと。こうして観てくださる方がいることが、私たち造り手にとって何よりの幸せです。」と封切り後のほっこりするエピソードを話し、会場は暖かな拍手に包まれました。

続いて、SNSで募集した質問への回答コーナー。一つ目の質問は【流石山田組は違う!と感じた撮影秘話は?】というもの。
木村さんは「その日一日やらなきゃいけないことが誰しもあると思うんですが、(山田組は)やらなきゃいけないことに対する時間のかけ方がすごく豊かで。高級なものを全て揃えての贅沢というのではなく、時間を豊かに使って一つ一つの光の当て方や、人の気持ちの形どり方を作るということが続いたので、早く帰りたくて終わるという日が一日もなかったです。」と撮影に臨んだ際の気持ちを語りました。
山田組での撮影を心待ちにしていたという蒼井さんも「緊張感はもちろんありますが、作品に対する愛情を疑う余地が全くないという安心感があります。どこを切り取っても皆この作品が好きだし、山田組が好きだというのが伝わってきます。本当に幸せなことですよね。久しぶりに山田組に参加できて、改めてこんなに幸せな時間を過ごさせてもらえているんだなと思いました。山田組といえば、劇団山田組のスタッフさんがたくさんエキストラで参加されるのですが、山田組のスタッフさんのお芝居の上手さは尋常じゃないなと感じました」と振り返りました。

二つ目の質問は【こんなタクシーがあったら乗りたいというタクシーはありますか?】。
倍賞さんは「浩二さん以上の人はいないですから」と語りつつ、「NHKの仕事場にいたときに3.11の地震があり、タクシーに乗ろうと思ったら鶴瓶さんが前にいらしたんです。鶴瓶さんが手を挙げて『渋谷の駅まで行く人』と言ったら何人か乗っていましたので、私も『横浜に行く人』と言ったら誰もいないんですよ。一人で運転手さんとずっと話していたんですが、その方が離婚したばかりで家の中のことを全部話してくださったんです。とても面白くて、あっという間の6時間半でした。浩二さんのように、運転手さんは自分の話を私にしたかったのではないかと、今この映画をやってそういう想いになりました」と自身の体験談を披露しました。
木村さんは「実際のタクシー運転手さんたちがちょっと観てみようかという感覚になってくれるのが嬉しいです。この作品が封切られて一か月以内にタクシーに乗る機会があったら、ドライバーさんとの会話や空気感を楽しんでみたいと思います。」と回答しました。

最後に、木村さんは「今後皆さんの傍らにずっと携えていただくような作品にしていただけたら嬉しいです。いつでも乗りたくなったらご乗車をお願いします」とユーモアを交えて挨拶。倍賞さんは「おうちに帰りましたら、ぜひお友達や親戚にこの映画のことをお話して、劇場へお誘いいただけたら嬉しく思います」と締めくくりました。

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『TOKYOタクシー大ヒット上映中!
配給:松竹 ©2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

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最終更新日
2025-12-03 19:30:00
提供
映画の時間編集部

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