『バジュランギおじさんと、小さな迷子』5月30日(金)より再々公開!

『バジュランギおじさんと、小さな迷子』5月30日(金)より再々公開!

正直でお人好しのヒンドゥー教徒の青年が、声を出せない迷子の少女をパキスタンの親元まで送り届けるため、パスポートもビザも持たずに国境を越える波乱万丈な旅を描き、世界中で大ヒットした『バジュランギおじさんと、小さな迷子』。2019年の日本公開時にスマッシュヒットとなり、2024年4月の再公開時も話題となったこの作品が、5月30日(金)より再々公開されることが決定。

カビール・カーン監督のこだわりで、多くのシーンがロケ撮影された本作。ヒマラヤ山脈、タール砂漠やカシミールの峡谷など、インド各地の美しい風景を楽しめるロードムービーの要素も持ち合わせています。
作品の重要な舞台であるカシミールは、インドとパキスタンそれぞれが領有権を主張し、軍事衝突の火種となっている地域です。パキスタン人少女の故郷のシーンが撮影されたインド側カシミール、パハルガーム近郊のバイサラン渓谷では、今年4月、パキスタンを拠点にするイスラーム過激派組織によるテロ事件が発生し、軍事衝突に発展、停戦合意がなされたものの、緊張が続いてきた2国間の関係に暗い影を落としました。この作品が製作された2014年当時はインド・パキスタン間に交流があり、本作のサウンドトラックにはパキスタン人の歌手も加わっています。作品に登場するインド−パキスタン間をつなぐ国際列車「サムジョーター急行」は、2016年と2019年に起こった軍事衝突により2国間の関係が悪化し、インド政府がジャンムー・カシミール州に特別な自治権を与える憲法第370条を廃止した2019年8月に運行が休止されました。状況の変化により、ここ数年のインド・ヒンディー語映画業界では、パキスタンやイスラーム教徒に寄り添う作品が激減しました。

本作の原案・脚本は、『バーフバリ』シリーズ(2015年/2017年)、『マジック』(2017年)や『RRR』(2022年)の原案・脚本を手がけたV・ヴィジャエーンドラ・プラサード。監督のカビール・カーンはイスラーム教徒の父とヒンドゥー教徒の母の下に生まれ、過去には、『Kabul Express(カーブル急行)』(2006年/未)や『New York』(2009年/未)、『タイガー 伝説のスパイ』(2012年)など、紛争や分断をテーマにした作品を世に送り出してきました。2020年のインタビューで、カビール監督は本作について「この作品のテーマは“国境を越えること”ではなく、私たちの中にある“見えない境界”だ。人間が作り出した境界によって人々を分断するという構造に焦点を当てた。宗教、カーストや国籍はすべて、人間が作り出した境界線にすぎない」「『バジュランギおじさんと、小さな迷子』は、分断が進む現実に対する私なりの“反発”だ。この現実に、私は映画という形で向き合う必要があると感じた」と振り返っています。
本作のクライマックスシーンは、インド・パキスタン国境付近に約7,000人のエキストラを動員して撮影されました。監督は、「これは“おとぎ話”の部分。両国の人々がひとつになってほしいという願いを込めた。現実には不可能かもしれないが、映画では人間の“善”の部分を描きたかった」と述懐しています。

カビール・カーン監督の融和への願いが込められた『バジュランギおじさんと、小さな迷子』は、5月30日(金)より、キネカ大森、ミッドランドシネマ名古屋空港、一部地域のイオンシネマにて、6月6日(金)からは新宿ピカデリーにて再々公開されます。

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『バジュランギおじさんと、小さな迷子』
5月30日(金)より、全国順次再々公開!
©Eros international all rights reserved ©SKF all rights reserved
配給:SPACEBOX

最終更新日
2025-05-23 18:00:00
提供
映画の時間編集部

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