錦戸亮、おにぎり差し入れ”ほぼおかん”コロナ禍の海外ロケの大変さを語る！『コットンテール』特別先行上映イベント

東京と、イギリスで最も風光明媚なリゾート地でとして名高い、イングランド北西部に広がる湖水地方・ウィンダミアを舞台に、家族の愛と再生を紡ぎ上げたロードムービー仕立てのヒューマン・ドラマ『コットンテール』を3月1日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開。

この度、リリー・フランキーさん、錦戸亮さん、木村多江さん、高梨臨さん、パトリック・ディキンソン監督が登壇する『コットンテール』公開前の特別先行上映を実施。
まずは盛大な歓声に迎えられたキャストの皆さんが挨拶。錦戸さんが「今日はお寒い中、ありがとうございます。」と始めるとすかさずリリーさんが「17度あるよ。そんな寒くない。」と突っ込み、「今日17度もあるんですか。じゃあまあ…あったかい中来れてよかったですね。」というおちゃめな一幕も。コロナ禍にイギリスで撮影し、やっと公開に至る本作に感慨深さがひとしおの様子のキャストの皆さん。その後、イギリスから来日したパトリック監督も登場し「こんにちは。パトリック・ディキンソン監督なんですけども。今日は本当にありがとうございました。感動です。」と流暢な日本語で挨拶。暖かい拍手で迎えられました。

日英合作について、リリーさんは「本当にたくさんの国からスタッフが集まってくれて新鮮でしたし、映画の撮影をするという目的でみんなが集まってるから、不思議と不自由がなかった。パトリックが誠実な監督なので、撮影も和やかでした。夜中まで撮影することもないしね。とはいえロンドンでも日本でも着いてすぐ隔離って生活で、撮影の記憶だけでなく隔離の記憶が強烈に残っています。本当に撮影できるのかなという状態だった。ミニシアターでかかるんだろうと思ってたら…こんな大きな劇場だと思ってなかったよね。」とコロナ禍当時の撮影の大変さを語りました。
次にイギリス撮影時の食事について聞かれた錦戸さん。「僕はお米が好きで。一合だけ炊けるお弁当箱みたいなのを持ち込んで毎朝、いや毎晩か。あ、夜に次の日の朝を作ってたんかな。で、朝に炊き立てを食べてました。」というと、時々お手製のおにぎりをリリーさんやパトリック監督にも分けていたというほっこりするエピソードも飛び出し、リリーさんからは「やってることほぼおかんに近い。」との暴露も。日本で一番好きな食べ物は”紫蘇”だというパトリック監督は「紫蘇美味しい。イギリスはあまりないから。でも特に錦戸さんのおにぎりがまた食べたい。」と相当お気に召した様子。それには錦戸さんも「今日作ってくればよかった！」と少し照れながら返答していました。
日本での撮影だったという木村さんは「リハーサルの期間が1週間くらいあって。いろんなパターンや背景、パトリック自身の経験の話をしてくださって、こうでなければならないというわけではなく、台本はあくまで台本で、役をみんなで作っていきました。基本的には私自身が感じていることが大事とおっしゃってくださって、感じたままをリハーサルでやっていて、答えは出さないまま本番に行くという感じ。とても私は居心地がよくて、役者に寄り添ってくださる監督だなと思い、良い経験をさせていただきました。」と穏やかに振り返りました。そんな木村さんに対し、監督は「（リリーさんと木村さんは）”ぐるりのこと”で夫婦役を演じていまして、世界の中でも素晴らしい役者さんだと思っていました。そのおふたりが僕の作品でも夫婦役を演じてくださり嬉しいです。」とおふたりの夫婦役に信頼を置いていたことを明かしました。
高梨さんは「まず台本を読んだときに、イギリス人の監督が日本の家族を描くということで、こういう風に見えてるんだ、と興味深く読ませていただきました。日本人ならこう描かないだろうなと私は感じたので、それがすごく面白く感じました。現場ではコミュニケーションを沢山取ってくれて、自分から発するというよりはお三方に身をゆだねている形で参加させていただいたので、本当に幸せだなと思いました。イギリスではよく一人で公園でぼけーとしたりして楽しむこともできました（笑）」とリラックスして撮影に臨めた様子でした。

錦戸さんとの初共演で親子役を演じたことについて、「（僕は）本当にダメなお父さんで、（錦戸君は）ちゃんとした息子の役。前から亮ちゃんのお芝居のファンだったんですけど、いろんなダメなとこをおとなしく吸収する役柄というか、お母さんお父さんときつい嫁に囲まれた大変な役どころを空気感でいろんなことを説明してくれるというか、すごいなと思いました。お仕事するの初めてだったんですけど、一緒にいやすいというか、結構ナチュラルに親子間の気持ちになれました。」というリリーさんに対し、錦戸さんは「翻弄される準備をしていたらきっちり振り回してくれるんですよね、兼三郎という親父は。自分が抱いている気持ちが出てくる過程とかも、見ていただけたらいいかなと思います。」とコメント。さらにリリーさんは「若いお客さんたくさん来ていただいてますけども、家族が年を取っていくなかで、世界中の人が抱える問題というか、これをパトリックが撮ってくれたおかげで日本人だけの問題じゃないんだというか、みんな世界でこういうこと直面しながら生きてるんだなと思わせてくれる。そう思うと世界が愛おしく感じました。」と思いを語りました。

本作が初めての長編作品になるというパトリック監督。日英合作にチャレンジしたことについて、「日本とＵＫを繋げる作品を作りたいという思いがありました。日本の観客の方は恵まれていると思います。日本の中だけでなく、世界的に素晴らしい役者さんがとても多い。壇上にいらっしゃるこの4名の方は世界でもトップクラスですし、自分の作品に参加していただいて心からありがとうと言いたいです。リリーさんの今回の演技、思いやり、情熱は早く観ていただきたい。コットンテールという作品、これはラブストーリーです。父と息子、妻と夫、家族の愛の物語。日本であってもイギリスであっても、全員人間であり、愛という意味は同じ。愛が世界を回していると思っています。私たちは国が違うと違う人なのかなと思うかもしれない。でも人として愛は共通しているんだということを描いた作品になっています。」と本作への熱い気持ちを語りました。
撮影に際したくさん協力していただいたというイギリス大使館のファミリーが本イベントにも来ているということで、リリーさんは「イギリス大使館にアフタヌーンティーに呼んでいただいて。初めてですよ、お昼食べに行くのにパスポート持って行ったの。良い経験ができました。」とエピソードを語り、2階にいらっしゃるというイギリス大使館の方にも会場からの暖かい拍手が向けられました。

翌日が2月14日バレンタインデーであることにちなみ、監督からキャストの皆様へバラのプレゼントというサプライズも！日本では女性から男性へチョコレートを贈るというのは主流ですが、監督の故郷・イギリスでは男性から赤いバラをプレゼントする風習があるとのこと。キャストの方々へ、監督から「改めてこの作品に関わってくださったこと、心からありがとうございます。今完成したこの作品を世界への贈り物として送り出そうと思います。（ローマ映画祭での受賞は）ファミリー全員での受賞です。」と感謝のメッセージが伝えられました。

最後に、高梨さん「何も考えなくていいので観ていただけたらいいなと思います。」、木村さん「とても美しい映像と暖かい視点が溢れている映画だと思います。少しでも皆さんにお伝えいただけたらいいなと思っています。」、錦戸さん「見終わったときにこんなバラを心に一本さして…あちょっとやめますこれ。ちょっとほっこりというか、皆さんもバラを一輪持って帰ってください！」、リリーさん「テーマは重いですが、愛の話ですし、観終わったときに家族や人を想う気持ちが芽生える映画だなと思います。イングランドの綺麗な風景や映像も美しく、そこもぜひ観ていただけたらと思います。」、パトリック監督「来てくださってありがとうございます。映画、楽しんで下さい。愛をぜひ心の中に入れていただいて、その愛を観終わった際に外に他の方にシェアしていただければと思います。」と公開に向け意気込みを語り、特別先行上映の舞台挨拶の幕を閉じました。

日英合作映画『コットンテール』は3月1日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開。