2022年2月ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が開始されてから、現在もなお軍事侵攻が続き、不穏な空気に包まれる現代。そんな今の時期にこそ、改めて伝えたいメッセージが込められた”戦争”をテーマに描いたナチス関連映画4作品をご紹介!
あらゆる角度から戦争を描いた作品をご覧いただき、改めて戦争について考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?
◆『ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言』 8/5(金)公開
イギリスのドキュメンタリー監督ルーク・ホランドが、アドルフ・ヒトラーの第三帝国に参加したドイツ人高齢者たちにインタビューを実施したドキュメンタリー。ホロコーストを直接目撃した、生存する最後の世代である彼らは、ナチス政権下に幼少期を過ごし、そのイデオロギーを神話とするナチスの精神を植え付けられて育った。戦後長い間沈黙を守ってきた彼らが語ったのは、ナチスへの加担や、受容してしまったことを悔いる言葉だけでなく、「手は下していない」という自己弁護や、「虐殺を知らなかった」という言い逃れ、果てはヒトラーを支持するという赤裸々な本音まで、驚くべき証言の数々だった。監督は証言者たちに問いかける。戦争における“責任”とは、“罪”とは何なのかを。
◆『さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について』 6/10(金)より公開中
「飛ぶ教室」などで知られるドイツの児童文学作家エーリヒ・ケストナーの唯一の大人向け長編小説を映画化。時代は1931年のベルリン。狂騒と頽廃の20年代から出口のない不況へ、人々の心に生まれた空虚な隙間に入り込むように、ひたひたとナチスの足音が聞こえてくる。どこか現代にも重なる時代、作家を志してベルリンにやってきたファビアンはどこへ行くべきか惑い、立ち尽くす。コルネリアとの恋。ただ一人の「親友」ラブーデの破滅。コルネリアは女優を目指しファビアンの元を離れるが……。
◆『終電車』 6/26(日)より公開中
ナチスへの秘かな抵抗を続けながら上演活動を続ける劇団の女座長。その奮闘ぶりを、スリルとロマンスを絡めて描いた、フランソワ・トリュフォー監督作品。1942年、独軍占領下のパリ。南米に逃亡したユダヤ人で、支配人兼演出家の夫に代わり、モンマルトル地区を拠点とする小劇団を率いる女優マリオンが、検閲、反ユダヤ主義、物資不足に抵抗しながら上演を継続し、文化の灯を絶やすまいと奮闘する姿を、ロマンスを絡めながらサスペンスフルに綴っていく。
◆『戦争と女の顔』 7/15(金)公開
巨匠アレクサンドル・ソクーロフの下で学んだ新鋭カンテミール・バラーゴフ監督が、ノーベル文学賞受賞作家、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの証言集『戦争は女の顔をしていない』を原案に、戦後の女性の運命を描く。1945年、終戦直後のレニングラード(現サンクトペテルブルグ)。荒廃した街の病院で、PTSDを抱えながら働く看護師のイーヤは、ある日後遺症の発作のせいで、面倒をみていた子供を死なせてしまう。そこに子供の本当の母で戦友のマーシャが戦地から帰還する。彼女もまた後遺症を抱え、心身ともにボロボロの二人の元女性兵士は、なんとか自分たちの生活を再建するための闘いに意味と希望を見いだすが...。
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“第三帝国”にかかわった市井の人々の証言を記録したドキュメンタリー『ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言』が、8月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほかにて全国ロードショー。
©2021 Focus Features LLC.