心躍る春に観たい芸術映画3選『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』『魂のまなざし』『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』

心躍る春に観たい芸術映画3選『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』『魂のまなざし』『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』

だんだんと陽がのびて、春の足音が聞こえてきた今日この頃。美術館やギャラリーに向かう足取りも軽くなります。心躍る春──。今回は気持ちも一新に、芸術家の人生・作品に触れることが出来る3本の新作美術映画をご紹介。

◆『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』 4月29日(金・祝)公開

人間も静物もなぜだかみんなふっくら、ぷっくりと膨らみ、素朴でユーモアあふれる作風が愛される、世界で最も有名な存命の芸術家、フェルナンド・ボテロ。“90歳のマエストロは現在も毎朝アトリエに通い、多幸感あふれる独創的な作品を生み出している。幼い頃に父を失った貧しい少年が、闘牛士学校に通いながらスケッチ画を描いていた原点から、対象物をぽってりと誇張する“ボテリズム”に目覚め、『モナ・リザ、12歳』のMoMA展示で世界に注目され、アート界の頂点へとたどり着いた軌跡を追いかける一方で、愛息の死、自身の利き手の一部を失う悲劇など、精神的にも肉体的にも作家生命が危ぶまれた衝撃の事実が涙と共に語られる――。なぜ、すべてをふくよかにするのか?そこに込めた意味とは。唯一無二の独創性を貫く信念について、作家本人が語り切る貴重なドキュメンタリー。

◆『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』 4月9日(土)公開

20世紀初頭、唯一無二のビジョンを確立し、カンディンスキーやモンドリアンより早く、独自の手法で抽象的絵画を描いていたスウェーデンの女性画家ヒルマ・アフ・クリント。彼女は何を見つめ、なぜ美術史から拒絶されたのかー。世界中の人々の心を鷲掴みにする彼女の絵は、なぜ20年を経ても世に出なかったのか。そして、自分で道をつくり、その道を歩んだ彼女が、目に見えるものを超えて見つめていた世界とは。キュレーター、美術史家、科学史家、遺族の証言や、ヒルマが残した作品・言葉などを通し、謎に包まれたその生涯と、彼女を拒んできた美術史の裏側に迫る。

◆『魂のまなざし』(夏公開)

モダニズムを代表する画家のひとりとして、近年世界的に注目を浴びるフィンランドの国民的画家ヘレン・シャルフベック。その生誕160年を記念し、彼女の画業と人生を決定づけた1915年から1923年の時代を描く。1915年、ヘレン・シャルフベックは、高齢の母親とともに田舎で暮らす、いわば忘れられた画家だった。それでもヘレンは湧き出してくる情熱のためだけに絵を描き続けていた。すべてが変わったのは、ある画商が訪ねてきて彼女が描き溜めていた159点のすばらしい作品を発見、大きな個展開催に向けて動き出したからだ。しかし、ヘレンの人生で最も重要な転機は、画商が紹介した15歳年下の青年エイナル・ロイターとの出会いによってもたらされる…。

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最終更新日
2022-03-28 11:00:00
提供
映画の時間編集部

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