全世界で賞賛の声が上がった俊英ピエール・ニネが主演を務める『ブラックボックス:音声分析捜査』(原題:BOÎTE NOIRE 英題:BLACK BOX)が2022年1月21日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他全国で公開。
今回解禁されたポスタービジュアルを目にして感じるのは、なんといっても鮮やかなオレンジ色。強烈なインパクトがある、このオレンジ色は“ブラックボックス(ボイスレコーダー)”本体の色。そして中心にはピエール・ニネ演じるマチューがいる。音を聞くだけで、故障ならどの箇所か、事故なら何と接触したのか、事件なら犯人の人物像まで割り出す、音声分析官である。そのマチューが何かを凝視している。彼の背景に大きな文字で英題「BLACK BOX」が上下に入り、上部に同心円状の計器のメモリが薄く施されている。さながらマチューのヘッドフォンから聞こえてくる音声の波長のようにも見える。
そして気づいてほしいのがマチューの右下にある飛行機の影。よく見ると機首が下がっている。劇中で起こる飛行機事故をほのめかしているのだろう。ヴィヴィッドな周囲の色味に相反してとてもショッキングな陰影だ。マチューのヘッドフォンから今にも墜落音が聞こえてきそうな、視覚と聴覚を震わすビジュアルになっている。
あわせて解禁されたのは、本作の重要なカギを握る二人の人物の写真。マチューの妻で新型航空機の認証機関に勤め、夫にも言えない秘密を抱えるノエミに『夜明けの祈り』のルー・ドゥ・ラージュと、調査局の冷静沈着なレニエ局長にフランス映画界の重鎮、『パリよ、永遠に』のアンドレ・デュソリエの写真である。ルー・ドゥ・ラージュが出演を決めた経緯は通常とは少し異なる。ノエミ役を演じる予定だった役者が撮影の1週間前に降板してことを知った主演のピエール・ニネは、過去に共演したルー・ドゥ・ラージュに電話をかけて、「脚本を送るので、今夜中に返事がほしい」と頼んだという。脚本を読んだルーは、「とても明確で素晴らしかった。ヤン・ゴズラン監督がこの題材を知り尽くしていることがわかったし、ノエミも私が初めて演じる役柄だった。それでオファーを受けたの。結局、考える時間も、間違った質問をする時間もなく、すぐに前に進まなければいけないという状況でよかったわ」と振り返る。
一方、国民的俳優アンドレ・デュソリエがオファーを受けた理由は「独創的な題材が気に入った。私が知らなかった分野を取り上げていることにワクワクさせられた。あとは監督の基準の高さだ。自ら時間をかけて脚本を書き、あらゆる細部まで検討する監督たちに、僕は昔から敬意を抱いてきた。それが若手監督ならなおさらだ」と説明する。
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