3 度アカデミー賞Rにノミネートされた名優ヴィゴ・モーテンセンの初監督作品『フォーリング 50年間の想い出』が全国順次公開中。
この度、監督・製作・脚本・作曲、そして出演まで務めたヴィゴ・モーテンセンにインタビューを実施いたしました。合わせて、日本での公開を記念したメッセージ動画とメイキング画像も到着しました。普段の俳優の時とは違った、監督として映画に取り組むヴィゴ・モーテンセンの様子を垣間見る事ができます。
Q.これまで俳優として素晴らしいキャリアを積まれていますが、なぜ監督として映画を作ろうと決めたのですか?
A.俳優をやろうと思ったのと同じ理由で、映画のストーリーを伝える一部になりたかったからです。脚本を書くことと監督することの主な魅力は、ストーリーを完結させること、最終的にストーリーに責任を負うことだと思いますが、監督業のプロセス、そして『フォーリング 50年間の想い出』の準備から撮影期間にかけて私が感じたことは、俳優や共同プロデューサーとして私がいままでに経験してきた事とは大きく異なってはいませんでした。私はこれまでと同様にすべての細部に注意を払い、そして、ストーリーを伝えようと取り組んでいるチームの全員が行っていることに同じように興味を持っていました。おそらく、主な違いというのは、監督や色々な人たちに質問をしているのが私であるかわりに(私はいつもそうしてきたのですが)、人々が私に多くの質問をしてくるところだったと思います。
Q.初監督作品として、このストーリーや題材を選んだ理由を教えてください。本作は自伝的な要素も多分に含ま
れているようですね。
A.作りたかった理由は、自分の両親や兄弟への感情や、両親から学んだことは何かということを掘り下げてみたいという願望があり、それに取り組むことができると思ったからです。
Q.本作では、家族のメンバー間の考え方の相違や、どんなに対立してもお互いを憎みきれない想いが丁寧に描かれていました。ご自身の実体験と重なる点や異なる点はどこでしょうか。
A.私にとって重要なことは、他者をありのままに、そして自分自身もありのままに受け入れる方法を見つけようとすることだと思います。これは決して簡単なことではないですし、特に誰かと意見が合わないままに人生の大半を過ごしていて、彼らと歩み寄る余地もないように見える時には、なおさら難しいでしょう。誰かがあなたを本来のあなたとして見ていないと感じたとき、そしてあなたを受け入れていないと感じたとき、その人に心を開き続け、その人を受け入れることは難しいでしょう。結局誰が最初に折れるか、誰が先に親切で、寛大な態度を取るかは問題ではないのです。大事なことは、そのような態度が示されることです。雪が降ったとしても、雨が降ったとしても、その最初の雨粒や雪のひとひらを覚えていることは重要ではありません。ともかくも始めなければならないのです。誰も譲歩しなければ、全員が迷います。私は自分の父の在り方を受け入れるのに長い時間がかかりましたが、それが出来たことを嬉しく思っています。そして父も彼なりのやり方で返答してくれました。人それぞれコミュニケーションの方法は違います。『フォーリング 50年間の想い出』は、受け入れること、そして許すことの大切さについての物語でもあります。
© 2020 Falling Films Inc. and Achille Productions (Falling) Limited· SCORE
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