数々の傑作を生み出し日本中を震撼させてきたベストセラー小説家:湊かなえ原作、累計発行部数90万部を超えるミステリー小説『母性』(新潮文庫刊)を映画化。メガホンをとるのは名匠:廣木隆一監督、公開は2022年秋。
ある女子高校生の遺体が見つかったことに端を発した、「母と娘」を巡るミステリー小説だ。ベストセラー作家をして「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説です」と言わしめるほどに心血を注いで上梓した物語が『母性』で、2021年現在で発行部数は90万部を超える湊の代表作の一つにも数えられている特別な作品でもある。
これまでの湊作品といえば、初の映像化作品でありながら興行収入38.5億円を突破した先述の『告白』をはじめ、吉永小百合主演で話題を呼んだ『北のカナリアたち』(原作:「二十年後の宿題」<『往復書簡』所収>)、井上真央が第38回日本アカデミー賞主演女優賞を受賞した『白ゆき姫殺人事件』、またドラマ「花の鎖」、「夜行観覧車」、「Nのために」、「リバース」、「贖罪」など、多くの作品が映像化され、その度に話題を集めてきた。小説界のみならず、映画・ドラマ界のミステリーの歴史をも塗り替えてきた、そんな湊の『母性』は、果たしてどんな映像となってスクリーンに映るのか。ぜひ注目していただきたい。
そんな湊作品のメガホンを託されたのは、名匠:廣木隆一監督。1982年に映画監督デビューを飾り、国内外40以上の映画祭で数々の賞を受賞した数多くの映画を手掛けてきた。デビューから約30年間第一線で活躍し新たな挑戦をし続け、出演俳優・スタッフから絶対の信頼を得る名匠だ。
今回明らかになったのは原作と監督の情報のみ。湊作品の主演といえば松たか子、吉永小百合、井上真央、鈴木京香、榮倉奈々など錚々たる俳優陣が名前を連ねるが、果たして本作の“母と娘”は誰が演じるのか? また映画ではどんな物語が紡がれるのか―――次回発表にどうぞご期待ください。
<コメント>
■原作:湊かなえ
永遠に愛され、庇護される立場(娘)でありたい母親と、その母親から愛されたい娘の物語です。毒親でもなく、虐待でもなく、だけど大切なものが欠けた関係。それを、自分が母親と娘の両方の気持ちを持っているあいだに書きたいと、このテーマに挑みました。ちなみに、今はもうどちらの気持ちも持っていません。映画化の話をいただいた際は、限られた時間でどの部分を切り取るのだろうかと、少し不安が生じました。
しかし、脚本を読んで、切り取るのではなく、物語の大切なところをすくい上げ、映画として膨らませていることがわかり、安心しました。一つ一つの場面が、役者の方々の演技や表情で、受け止め方が大きく変わってくる繊細な構成において、どのような感情を湧き起こさせてもらえるのか。原作者としてではなく、一観客として楽しみにできるのは、監督やスタッフ、役者の方々を信頼しているからで、そのような映像化になったことを、心から嬉しく思います。
■監督:廣木隆一
湊さんが書かれた小説は前から気になっていたので、今回映画化することが出来て嬉しく思いますと同時にプレッシャーでもありました。母親と娘の話なので僕で大丈夫なのか心配でした。反面、どんな親子なのか興味あふれる物でした。でも、湊さんが書かれた親と子供の関係性は普遍的である一方、様々な姿を三人の中に見せてくれました。どうぞ、女性の方ばかりではなく男性の方にも観ていただきたい映画になっているのでぜひスクリーンでお確かめ下さい。
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