都会の異なる環境を生きる二人の女性が、恋愛や結婚だけではない人生を切り拓く姿を描いた『あのこは貴族』が2021 年 2 月 26 日(金)より全国公開。
監督は初のオリジナル⻑編作品『グッド・ストライプス』で、新藤兼人賞金賞を受賞した岨手由貴子。山内マリコによる同名小説を映画化し、先日開催された第 33 回東京国際映画祭では、【階層を越えて手を取り合う女性たちの姿は、これまでになかったジャンル】と喝さいを浴びました。主人公の箱入り娘・華子に門脇⻨。地方から上京し、自力で生きる美紀役は水原希子が演じます。奇しくも二人を繋ぐことになる、弁護士・幸一郎役に高良健吾、華子の学生時代からの友人でバイオリニストの逸子役に石橋静河、美紀の地元の友人で同じ名門大学に入学する・平田役に山下リオと、若手実力派俳優が集結しています。
今回、異なる階層に生きる華子(門脇)と美紀(水原)のそれぞれの生きる世界を感じられる場面写真一挙 6 点が解禁。
代々東京の中心地に居を構える良家の子女である華子は、一般家庭では中々お目にかかれない豪華 7 段の雛人形を飾る姿や、刺繍を楽しむ優雅な姿、美しい着物に身を包む姿が切り取られている。「結婚=幸せ」という世界観を持った上流階級の箱入り娘である華子は、自分の感情を表に出すことに慣れておらず、微妙な表情や雰囲気だけでストーリーを引っ張っていく必要のある、映画的にはきわめて難しい役柄。監督は脚本の段階から「華子ができるのは門脇⻨しかいない」とイメージを固めていたそうで、門脇自身も「岨手監督の前作を観てからずっとご一緒したかったので期待に応えたい」と強い意気込みを持って挑んだ役柄だ。
一方、地方出身者である美紀は、ジャージ姿でベッドに横たわるラフな印象を与えるものや、真新しいリクルートスーツに身を包んで大学の入学式に向かう姿、それらとは対照的に、真っ赤なスカーフとスーツで力強い印象を与える姿が切り取られている。地方出身の秀才で、都会に馴染んでいるのに、自己肯定感が薄い。もはや東京への幻想は抱いていないが、地元に帰る気にもなれず、学生時代からの腐れ縁を引きずっている──。
そんな複雑な役柄に対して、脚本を読んだ水原は「美紀のキャラクターはほとんど私自身。年齢的にも今の自分にぴったりだと思う」と、自分自身と重ねるほど共感できたキャラクターであることを明かしている。門脇、水原それぞれのパブリックイメージとは、いわば真逆と言えるキャスティングだが、劇中では、このチャレンジングな配役が想像以上のケミストリーを生んでいる。今回、東京という同じ空の下、違う階層でそれぞれの人生を切り拓こうとする 2 人の女性の世界観を感じ取ることができる場面写真の数々が到着した。
(C)山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会