日本の芥川賞にあたる、ドイツのクライスト賞を受賞した作家、フェルディナント・フォン・シーラッハの小説を映画化し、2019 年の上半期ドイツ映画No.1 ヒットとなった話題作『コリーニ事件』が現在公開中。
原作はドイツでも屈指の刑事事件弁護士として活躍している、フェルディナント・フォン・シーラッハの同名小説。作中で語られた驚愕すべき“法律の落とし穴”がきっかけとなり、出版後の 2012 年にはドイツ連邦法務省が省内に調査委員会を立ち上げた。文字通り、“国家を揺るがした”小説を映像化した圧巻の法廷劇がついに日本に上陸。主人公ライネンを演じるのはエリアス・ムバレク。被告人コリーニに扮するのは名優フランコ・ネロ。監督を務めるのは マルコ・クロイツパイントナー。
世界中で高く評価されるベストセラー作家、ドイツで今最もホットな実力派俳優、さらには一世風靡した伝説的な名優と、人気者たちがずらりと勢揃いしている。多様な才能が集結しドイツを揺るがす衝撃のヒット作となった本作の、撮影舞台裏とキャスト&スタッフのコメントを映し出したスペシャル映像が到着。
実際に存在するドイツの法律の闇を暴く骨太なリーガル・サスペンスでありながら、新米弁護士カスパー・ライネンが私情と正義の狭間で葛藤しながら一人前の弁護士になっていく成長物語でもある本作。そんな主人公ライネンに扮したエリアス・ムバレクは、「カスパーは葛藤する。(殺された)マイヤーは育ての親だからだ。彼が殺された理由が分からず、犯人の弁護が苦しくなるが逃げ出せない」とキャラクターについて説明。さらに「僕はシーラッハの大ファンなんだ。撮影前、2 人で食事したよ。彼は撮影現場にも来たし映画も見てくれた。失望はさせない」とシーラッハへの愛を語り、役への意気込みを証明する。その意気込み通り、撮影での真摯な態度が評判のムバレク。監督のマルコ・クロイツパイントナーは「エリアスは早くから役作りをしてくれた。裁判所に行き弁護士に会い調査をし、刑事訴訟法も暗記してた」と真面目な一面を明らかにし、フランコ・ネロも「エリアスはすごい。才能豊かで素晴らしい仲間だよ。しかも謙虚だ。馬が合った」と異国の熱心な若手俳優に太鼓判を押している。映像にはネロやシーラッハと談笑するムバレクの姿も映し出され、作品のテイストとは違いほのぼのとした撮影風景の様子もうかがえる。
『コリーニ事件』で描かれるのは、誰もが目を背けたくなる<自国の負の記憶>と対峙する勇気。原作者が“第二の罪”と表現する戦後の法の落とし穴に、まさしくライネンが今の世代の代表となって裁判を闘う姿に胸を打つ作品となっている。
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