混沌とした時代に警鐘を鳴らす『リチャード・ジュエル』イーストウッド最新作の主人公って何者?場面写真解禁

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イーストウッドの第40作、勇敢な警備員の身に起きた実話を描くサスペンスドラマ『リチャード・ジュエル』。
1996年、警備員のリチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)は米アトランタのセンテニアル公園で不審なリュックを発見。その中身は、無数の釘が仕込まれたパイプ爆弾だった。テロを未然に防ぎ一時は英雄視された彼だが現地の新聞社とテレビ局がジュエルを犯人であるかのように書き立て、実名報道したことで状況は一変。さらに、FBIの徹底的な捜査、メディアによる連日の過熱報道により、ジュエルの人格は全国民の目前でおとしめられていった。そこへ異を唱えるため弁護士ブライアント(サム・ロックウェル)が立ち上がる。そして、ジュエルの母ボビ(キャシー・ベイツ)も息子の無実を訴え続けるが、3人の前に立ちはだかるのは、巨大国家アメリカ政府とマスコミだった――。『ハドソン川の奇跡』『15時17分、パリ行き』など実在した市井のヒーローを描いてきたイーストウッドが新たに目を向けたのは、果たしてどんな人物なのか?

<「ジュエルが普通の人間で、今、我々の周りで起きていることと似ている」---イーストウッドが映画化を決めた理由>
 1962年12月12日生まれの善良な男ジュエルは、存命していれば12日に57歳を迎えるはずだった(2007年8月27日没)。1996年、33歳の時に警備員としてアトランタ爆破事件に遭遇する。爆破物の第一発見者として数多くの人々を救い英雄となるが、3日後にはFBIの捜査情報漏洩によって、第一容疑者として実名報道され、世論からの犯人扱いされてしまった人物だ。クリント・イーストウッドは、「私がリチャード・ジュエルの物語に興味をもったのは、彼がどこにでもいる、ごくふつうの人間だったからだ。この物語は、今、我々の周りで起きていることとすごく似ているんだ」と語っている。

 果たして「事実」とされた報道の「真実」はどこにあるのか。その先にある人間の尊厳はどこまで保たれるのか。SNSが人々の生活に根付き、姿なき誹謗中傷が蔓延する現代社会、誰もが「被害者」、あるいは「加害者」になってもおかしくない混沌とした時代に警鐘を鳴らす切実なテーマを、イーストウッドはサスペンスをふんだんに盛り込みながら普遍的なドラマとして描き出していく。

© 2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

混沌とした時代に警鐘を鳴らす『リチャード・ジュエル』イーストウッド最新作の主人公って何者?場面写真解禁3
最終更新日
2019-12-10 10:00:00
提供
映画の時間編集部

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