原作は昭和の文豪・新田次郎、日立鉱山の煙害とたたかった地元村民が起こした奇跡を著した「ある町の高い煙突」(文春文庫・刊)を、『天心』『サクラ花─桜花最期の特攻─』の松村克弥監督が映像化!
煙害を防ぐために、世界一の大煙突建設の悲願を達成する為に奔走した若者たちと、それに向き合った鉱山会社の努力と精神を描いています。地球規模での環境問題が深刻化し、CSR(企業の社会的責任)が重要視されるようになった21世紀の今こそ、その原点として一人でも多くの方に届けたい、という気持ちのもと製作された。
吉川晃司が演じた久原房之助は、日本鉱業(現・JX金属)、日立製作所、日産自動車などを傘下とする日産コンツェルンを創設した伝説の人物。弱冠36歳で日立鉱山を開業し、昭和のカリスマ実業家と言われた経済人であり、その後は政治家に転身して日中、日ソの国交回復に尽力、政界にも強い影響力を及ぼすほどになった。
映画の中で久原は、近代的な鉱山の建設により、働く人も幸せだと思える理想郷を実現しようとするが、発展していった一方で排出される鉱煙の量が増加し、周辺地域の農作物や草木が枯れるなど、予想を上回る煙害の前に苦悩し奮闘。政府に逆らい世界一高い煙突の建設を決意をすると言う意味では、もう一人の主人公とも言える。そして、これほど久原房之助と言う人物に焦点を当てて描いた映画は、邦画史上で本作が初となる。
松村克弥監督は、久原を演じる吉川に対し「いざ現場で吉川さんが演じると、僕のイメージ以上のリアルな久原が現れた」と感激した様子。「吉川さんご本人は大変礼儀正しく穏やかな方で現場は終始和やか」と吉川の現場での顔を暴露しつつ、「僕が年上ですが、ほぼ同世代で親しみが湧き、楽しい撮影でした」と感謝のコメントを寄せている。
映画「ある町の高い煙突」は6月22日(土)より有楽町スバル座ほか全国ロードショー!
(ユナイテッド・シネマ水戸、シネプレックスつくば 6月14日(金)先行公開)
(C)2019 Kムーブ