かわぐちかいじ氏による累計 500 万部突破のベストセラーコミックを、破格のオールスターキャストで映画化したクライシス超大作『空母いぶき』。その完成披露試写会が東京国際フォーラム ホール A にて行われ、主演の西島秀俊、佐々木蔵之介、本田翼、玉木宏、中井貴一、佐藤浩市ほか日本映画界を牽引する豪華出演者に加え、原作者のかわぐちかいじ、企画の福井晴敏、若松節朗監督が舞台挨拶に登壇しました。
観客が固唾をのんで見守る中、会場は暗転し 1分間の特別映像がスクリーンに映し出された。スクリーンが静かに上がり始め、白煙が立ち込めるなか総勢 22名の超豪華キャストとスタッフが登場。満席の会場から溢れんばかりの拍手が巻き起こった。
冒頭の挨拶では、艦長・秋津竜太役を演じた西島は「かわぐちかいじ先生の原作がついに初の実写映画化という事で、すごいキャストとスタッフが結集しました。ついに日本映画もここまできたかと思えるような、リアルな戦闘シーンと深い人間ドラマがあり、必ず皆さんが感動する作品になっています」と自信を覗かせた。続けて、副長・新波歳也を演じた
佐々木は、「“空母いぶき”を映画化すると聞いたときは、少し怖くなりましたが、プロデューサーが“これは戦争のための映画ではない。平和のための映画だ”とおっしゃって、その覚悟を持って挑みました。」と撮影に挑んだ覚悟を語った。ネットニュース社 P-PANEL の記者・本多裕子役を演じた本田翼は「完成した映画を見て、自分の当たり前の日常はこの方達が守ってくれているんだなとあらためて感じました」と本作を観た率直な感想を語った。原作のかわぐちかいじは「この映画を完成に漕ぎ着けたスタッフの皆様、本当にご苦労さまでした。今まで日本の映画で自衛隊を描いた映画はたくさんありますが、本来の任務できちっと描いたのはこの映画が日本で初めてです。そのことを頭に入れてご覧になって頂けると幸いです」と本作のリアリティを語った。日本の危機的状況に立ち向かうために様々な決断を迫られる映画の内容にちなみ、を聞かれた
西島は、「家庭をもって子供が生まれたという事は僕にとって大きな出来事で、次の世代に何を残せるか、今の平和を残せるかということをより一層強く感じるようになりました」と回答。同じ質問を受けた佐々木は「小さな決断はよくしている。風呂にするか、先にビールにするか、というのはいつも悩みごとです」と会場の笑いを誘った。
本作で描かれるのは平和を終わらせないための戦いであることから、“平和だなあ”と感じる瞬間を聞かれた佐藤は、「ほんと長かった...」と大勢のキャストが登壇している中、なかなか自分の順番が回ってこないことを嘆き、会場からは大きな笑い声が上がった。続けて「この瞬間です。我々が映画という作品を作って、それをもって皆さんに提供する。今日観てくださる方々にどうぞ観て行ってくださいと言える平和さです。これだけはずっと維持していかないといけない」と語り、満席の観客からは大きな頷きと拍手が巻き起こった。
最後に、佐々木は「誰も戦争したい人はいません。自衛官、政府関係者、ジャーナリスト、コンビニ店員含め、みんなそれぞれ各パートで平和を願っています。この映画を観た後、劇場を出た後、家族がいる仲間がいると思っていただければ良いなと思います。今日はそんなテーマと共に、このエンターテインメントを楽しんでください」と、これから映画を鑑賞する観客に向けて、本作を観て感じてほしいことを語った。
西島は「“とにかく泣けた”と周りから言われ、なぜそんなに観た人が泣けたのか考えました。それはきっと、この映画に関わったスタッフ、キャスト、協力してくださった自衛隊の方々、それから登場人物、全員が平和のために戦っていたということ。そこに誰もブレることがなかったということが、この映画の一番泣けるところなんじゃないかなと思っています。映画はエンターテイメントで、手に汗握る感じで楽しんでいただけると思います。そのあとに、観てくださった方の心の中で平和について、平和のために戦っている人たちについて、心の中に湧き上がる何かを感じ取っていただければ幸せなことはありません」と、ぶれない芯の通ったテーマが描かれていることを観客に伝えた。
舞台挨拶の終わりには、西島秀俊の「総員!」の掛け声の後に、登壇者と観客が一斉に「衝撃に備え!」と叫んで、キャノンテープが発射。満席の会場からの鳴りやまない拍手に包まれる中、舞台挨拶は幕を閉じた。
©かわぐちかいじ・惠谷治・小学館/『空母いぶき』フィルムパートナーズ