一月の声に歓びを刻め 作品情報
いちがつのこえによろこびをきざめ
正月の北海道・洞爺湖。一人暮らしのマキ(カルーセル麻紀)の家に家族が集まり、マキが丁寧に作った御節料理を囲むが、喪失感が漂う。マキはかつて次女のれいこを亡くしていたのだ。一方、長女の美砂子(片岡礼子)は、女性として生きるようになったマキに複雑な感情を抱いていた。家族が帰り、静まり返った家で、マキの過去の記憶が蘇る。東京・八丈島。牛飼いの誠(哀川翔)は、大昔に罪人が流されたという島で暮らしている。妊娠した娘の海が5年振りに帰省する。誠は交通事故で妻を亡くしていた。海が結婚していたことすら知らなかった誠は、何も話そうとしない海に内心落ち着かない。そんな折、海のいない部屋で手紙に同封された離婚届を見つけてしまう。大阪・堂島。れいこ(前田敦子)は、ほんの数日前まで電話で話していた元恋人の葬儀に駆け付けるため、故郷を訪れる。茫然自失のまま歩いていると、橋から飛び降りようとしている女性と遭遇する。そのとき、レンタル彼氏をしている男トト・モレッティ(坂東龍汰)がれいこに声をかける。れいこは過去のトラウマから誰にも触れることができなかったが、そんな自分を変えようと、その男と一晩過ごすことを決意する……。
「一月の声に歓びを刻め」の解説
「Red」の三島有紀子監督自身が47年間向き合い続けたある事件をモチーフに、自主映画からスタートしたオリジナル作品。北海道・洞爺湖、東京・八丈島、大阪・堂島を舞台に、方舟をテーマに罪と赦しを繊細な映像で描き、ある事件を別々の角度から捉える。出演は、「あつい胸さわぎ」の前田敦子、「自虐の詩」のカルーセル麻紀、「春に散る」の哀川翔。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2024年2月9日 |
---|---|
キャスト |
監督:三島有紀子
出演:前田敦子 カルーセル麻紀 哀川翔 坂東龍汰 片岡礼子 宇野祥平 原田龍二 松本妃代 長田詩音 とよた真帆 |
配給 | 東京テアトル |
制作国 | 日本(2023) |
上映時間 | 118分 |
公式サイト | https://ichikoe.com/ |
(C) bouquet garni films
動画配信で映画を観よう! [PR]
予告編動画
※音声が流れます。音量にご注意ください。
※一部ブラウザ・スマートフォンに動画再生非対応がございます。
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、2件の投稿があります。
P.N.「女性たちの船出、」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-02-20
北海道、東京、大阪と、オムニバス形式で、女性の物語に焦点を当て、展開して行く。
最初は、失礼ながら、前田敦子さんの、今時な女性のストーリーかなと、鑑賞するつもりはなかったのですが、80近いカルーセル麻紀さんの渾身で挑んだ作品と言う記事を読んで、想像がつきにくい点が余計、興味を引きました。
カルーセル麻紀さんは、その存在自体が、役にピタリでしたし、北海道にいながら、まるで舞台劇の様な演出もなかなか、作品上、違和感なくはまっていました。
東京・八丈島は、離島と独特の閉塞感もしっかりと描かれていました。
オムニバス形式なんですが、やはり、主軸は、前田敦子さんの大阪が、ポイントのようです。
彼女のトラウマの様な、白黒の世界、感情を解き放して行くロードムービ風に展開、最後は、心なしか、明るいトーンに感じるかも?
全体を通して、女性讃歌、新たな船出を応援している様な作品です。
大阪の馴染みある場所に感動、カルーセル麻紀さんと言えば、殆ど鬼籍の方々の「ノックは無用」で、皆さんのザ・大阪の追い風が感じられる作品かも?