消えない灯り 作品情報

過疎化が進み、空き家が増加した地方都市。かつてその街に住んでいた花村茉莉（織田美織）は、亡くなった父・弘泰（平田満）の遺産として譲り受けた実家を、売却処分すると決めていた。ところが、遺品整理のために帰った実家で、父の幻影を目にして、売却を躊躇うようになる。職を失い、フリーター生活を送る茉莉だったが、少ない収入でもなんとか実家を売却せず、父の魂の居場所を維持する方法はないかと模索し始める。そんなある日、家の周りに不審者が彷徨いていると近所の人から連絡があり、急いで実家に戻る。だがその人物とは、かつて教師だった父を慕う教え子の林陽子（金澤美穂）だった。茉莉はそんな陽子から、折に触れ、自分の知らない父の姿、娘である自分への想いを聞き、亡き父への想いを募らせていく……。