P.N.「bogi」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-07-02
静かに物語は進むが、後半で明かされる事実を孕んだ緊張感が漲る。
奇妙な三角関係、病気、秘められた感情の伏線を、青いカフタンの完成に従い明らかにしていく手際の良さに感心した。
髭面に涙で潤んだ二重の切れ長の瞳が印象的。
あおいかふたんのしたてや
総合評価3.67点、「青いカフタンの仕立て屋」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
静かに物語は進むが、後半で明かされる事実を孕んだ緊張感が漲る。
奇妙な三角関係、病気、秘められた感情の伏線を、青いカフタンの完成に従い明らかにしていく手際の良さに感心した。
髭面に涙で潤んだ二重の切れ長の瞳が印象的。
深く深く、そして、長く長く、愛して、
そんな事を考えさせる映画です。
モロッコの果ての空の物語。
正に、ミントティーを飲んで、眠りに着く、ミナ。
世界が抱えている様々な問題を物語に紡ぎ、神の金糸で仕立て上げる。
あなたは、深く深く、そして、長く長く愛する人生を送ったと最後の最期に言えるでしょうか?
天の衣、青いカフタンに身を包むに相応しい人生を送ったでしょうか?
愛するとは、仕事も家庭も何もかも、分け隔てなく、
愛すること、そして、しっかりと地に足を着け生きること。
好きな人を愛することは、簡単なこと。
見て見ぬふりをすることは簡単なこと。
けれど、仕事も家庭も、人生も、本当に、愛するなら、大変でもあるが、あなたは、天が祝福し、その青いカフタンの衣のように、身を包み、清めてくれるでしょう?
まるで、ミントティーを飲んだ後味のように爽やかな青い清々しい世界が広がるでしょう?
色んな愛が感じられる仕立て屋を題材にした作品。
本年度ベスト級。
美しい映像を期待して鑑賞。
出だしの民族衣裳のカフタンの生地の美しさに引き込まれるものの、思ってもみない方向に進むストーリー。
終わってみれば愛に溢れた素晴らしい作品だった。
登場人物はカフタンの仕立て屋を営むミナとその妻のハリム。
その仕立て屋で働く事になるユーセフの3人。
この3人それぞれの愛が感じられる。
仕立て屋の妻、ハリム。
自分的にハリムは全ての事はお見通しだった感じが切ない。
仕立て屋の旦那、ミナの妻に対する献身的な行動も良かった。
この3人が仲の良さを表現する食事や、肩を動かすダンスのシーンが印象に残る。
ラストで3人だけで歩くシーン。
カフタンを着た姿に泣けた。
その後の本当のラストシーン。
これからどうなるのか?
気になります( ´∀`)