P.N.「すべての道は、ローマは一日にしてならず。」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2021-12-15
男の子と言う表現が、ぴったりだろう?
主人公は、運命のいたずらに翻弄され、ローマを目指す。少年期の僅かな期間の輝き、可能性を秘めながも、性を超えて美しい危うささえも讃える命の血潮(神の美しさの顕現)。
ナポリの陽気さと裏腹に、敗退的な世界。ローマは、ナポリより魅力的な所ではないと言う周囲の言葉を聞き流し、すべては、一日にしてなるものではない、ローマのように、自らの道は、自ら築いて行こうと、すべての道は、ローマに通ず。
作品全体が、監督への道を歩む物語であるが、正に、Netflixの象徴のようであり、人生は、一日にしてならず、すべての道は、ローマに通ず。
マラドーナを愛する少年が、「神の手」に促されるように、ローマへ、自らの道を歩む、父親の最期の言葉、「いたずらはやめて」のように、因果応報と少しの運命いたずらに飲み込まれていく人間の愚かさと共に、神に祝福された少年の爽やかさが余韻を残す作品。
何事も一日にしてならず、すべての道もまた。