この世界に残されて 作品情報
このせかいにのこされて
ナチス・ドイツによって約56万人ものユダヤ人が殺害されたと言われるハンガリー。第二次世界大戦後の1948年、ホロコーストを生き延びたものの家族を喪った16歳のクララ(アビゲール・セーケ)は、42歳の寡黙な医師アルド(カーロイ・ハイデュク)と出会う。クララは言葉を交わすうちに彼の心に自分と同じ欠落を感じ取り、父を慕うようにアルドに懐く。同じくホロコーストの犠牲者であったアルドは、クララを保護することで人生を取り戻そうとする。しかし、ソ連がハンガリーで権力を掌握すると、世間は彼らに対してスキャンダラスな誤解を抱くようになる。また、二人の関係も、時の流れとともに移り変わっていく……。
「この世界に残されて」の解説
2020年米アカデミー賞国際長編映画賞ショートリスト選出のハンガリー映画。1948年、ハンガリー。ホロコーストを生き延びた16歳のクララと42歳の医師アルドは寄り添うことで人生を取り戻していくが、ソ連の弾圧によって再び時代に翻弄されていく。出演は、映画初主演となるアビゲール・セーケ、本作でハンガリーアカデミー賞およびハンガリー映画批評家賞最優秀男優賞を受賞したカーロイ・ハイデュク。監督は、主に短編映画を手掛けてきたバルナバーシュ・トート。製作は、「心と体と」のモーニカ・メーチとエルヌー・メシュテルハーズィ。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2020年12月18日 |
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キャスト |
監督:バルナバーシュ・トート
原作:ジュジャ・F・バルコニ 出演:カーロイ・ハイデュク アビゲール・セーケ マリ・ナジ カタリン・シムコー バルナバーシュ・ホルカイ カタリン・シムコー アンドール・ルカッツ |
配給 | シンカ |
制作国 | ハンガリー(2019) |
上映時間 | 88分 |
公式サイト | http://synca.jp/konosekai/ |
(C)Inforg-M&M Film 2019
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「Katze」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2022-09-15
打ちのめされ、倒れてしまい、起き上がれない時に、見るべき映画。全編哀しみや喪失感に包まれた、物悲しい暗い内容だが…「人はひとりでは生きていけない」と言う重い言葉は、ホロコーストを生き抜いた医師でなければ、意味を成さない。傷つけられた人を救えるのは、同じ様に傷つけられた人なのかもしれない。痛みや苦しみや絶望を背負って生きることは、或意味死ぬことよりも辛いことかもしれない。少女に手を差しのべた後、愛や悲しみの感情を取り戻した医師の笑顔が良かった。いつの世でも、政治や力や時代に翻弄される人々…傷つけられた人々…それでも生きていく人々…監督は、「この映画がすべてのトラウマを抱えた人の癒しに」~確かに、癒されたかも…。