シリアにて 作品情報
しりあにて
シリアの首都ダマスカス。未だ内戦の終息は見えず、アサド政権と反体制派、ISの対立が続く中、ロシアの軍事介入により、アサド政権が力を回復しつつあった。そんな中、戦地へ赴いた夫の留守を預かる女主人オーム(ヒアム・アッバス)は、家族と共にアパートの一室にこもり、何とか生活を続けていた。さらにそこには、幼子を抱えた隣人のハリマ夫婦も身を寄せていた。そしてある日、レバノンの首都ベイルートへの脱出ルートを見つけたハリマの夫が、今夜こそ逃げようとハリマ(ディアマンド・アブ・アブード)に計画を相談する。だが、脱出の手続きをするためにアパートの外へ出たハリマの夫は、直ちにスナイパーに狙撃され、駐車場の端で倒れてしまう。一部始終を目撃したメイドのデルハンは慌ててオームに知らせるが、外に出るのはあまりにも危険で、助けに行くことはできない。ハリマに夫が撃たれたことを伝えようとするデルハン。だが、狙撃を恐れたオームは、デルハンを押しとどめる。ハリマにはまだ生まれたばかりの赤ん坊がいるのだ。彼女を守るため、オームは苦渋の選択を下すが……。
「シリアにて」の解説
内戦が続くシリアの首都ダマスカスを舞台に、ある家族の緊迫の24時間を描いた密室劇。一歩外に出れば、直ちにスナイパーに狙われる状況の中、戦地に赴いた夫の留守を預かるオームは、幼子を抱える隣人夫妻と共に、自宅に身を潜めて暮らしていたが……。出演は「ガザの美容室」のヒアム・アッバス、「判決、ふたつの希望」のディアマンド・アブ・アブード。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2020年8月22日 |
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キャスト |
監督:フィリップ・ヴァン・レウ
出演:ヒヤム・アッバス ディアマンド・アブ・アブード ジョリエット・ナウィス モーセン・アッバス モスタファ・アル・カール アリッサル・カガデュ ニナル・ハラビ ムハマッド・ジハド・セレイク |
配給 | ブロードウェイ |
制作国 | ベルギー=フランス=レバノン(2017) |
上映時間 | 86分 |
(C)Altitude100 - Liaison Cinématographique - Minds Meet - Né à Beyrouth Films
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「カルト教」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2020-10-09
一貫してまるでドキュメンタリーを観ているかのような作風で深く考えさせられた。
一歩外に出るとスナイパーで狙われ、強盗が駆けずり回り、銃声や空爆は絶え間なく降り注ぐ…。ドア一枚、カーテン一枚で外界と隔てられているその空間では片時も気の休まる暇がない。窓から顔を出してはいけない、灯りや生活音が外に漏れ出てはいけない…。まるで現場にいるかのような緊張感がまざまざと伝わり、思わず息を凝らさずにはいられなかった。目を背けたくなるようなシーン(実際私自身震えてしまった)は多々あったが、大人は勿論の事、教育の現場でもこの作品を通して、生きたシリアの現実を知るきっかけになって欲しいと切に思う。
戦争は過去の遺物などでは無い。