P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2021-05-09
作家の自決事件が起こった時,塾の国語の講師は「将来解明されるのかも知れない…」と言った三島由紀夫事件,映画人でも有った,時の人が東大全共闘と対話した映像は観念的な青年を前に身体的な言葉で説得をする小説家の姿として一際,印象的!
みしまゆきおばーさすとうだいぜんきょうとうごじゅうねんめのしんじつ
総合評価4.8点、「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
作家の自決事件が起こった時,塾の国語の講師は「将来解明されるのかも知れない…」と言った三島由紀夫事件,映画人でも有った,時の人が東大全共闘と対話した映像は観念的な青年を前に身体的な言葉で説得をする小説家の姿として一際,印象的!
三島由紀夫は声を荒げる事なく丁寧にユーモアを交えながら千人の学生達に語りかける。絶対相手を見下したりバカにしたような話し方をしない。 そして相手の話を聴く力 目力。学生達から拍手も。
久々に使ってない脳の部分使ったように思います。
おもしろかったです。予備知識もほとんどなく見て、その年代の方々には「難しかったんじゃないの?」と言われましたが、しっかり解説付きだったので良かったです。
期待した以上に面白いドキュメンタリーだった。編集と演出が下手だったら、退屈になりかねないのに、50年前の熱気をそのまま再現できているのは素晴らしい。傑作といって良い。
あらためて三島由紀夫は凄い人だったのだなという発見があった。何が凄いかと言えば、東大全共闘をバカにしたり見下したりしていないで、自説を述べ、相手の話を聴き、極力議論をかみ合わせるように務めながら、反論している点である。当たり前のようでいて、思想が両極端に違う相手との間でなかなかできることではない。
そもそもあの時代、いくら招かれたといはいえ全共闘が千人もいる場所に右翼思想の人間が単身乗り込むなど、並外れた勇気というしかない。
一方東大全共闘の方は、明らかに三島をバカにしている空気が一部にあった。特に天皇の話になったときに顕著で当時の左翼の人間にとって天皇制の是非など議論以前の問題だったのだ。しかし、天皇の存在の深い意味を深く掘り下げなかったことが、その後の左翼の退潮の一因だったように思えてならない。
芥正彦という人物の存在感は凄いが、昔よくいたインテリ左翼のいやらしさも感じた。
期待以上!最初から最後まで釘付けになってしまった。
一度見ただけでは理解できないから何度でも見たいと思ったが、それでも、湧き上がる情熱はこれでもかというくらい伝わってきた。
三島由紀夫も学生たちも、それぞれ自分の信念があり、言葉をもってしてそれを伝え、議論できる
高度なコミュニケーションがそこにはあった。戦後20年弱のあの時代でも若者には常に死が隣にあり、戦争で死ねなかった三島由紀夫も例外ではなかった。現代は死がいちばん遠いものとなり、生きることが当たり前になり生物として異常事態になっている。現代人は「生きて」いる人間が少ない。現代人に美しさを感じないのは、生きることに奇跡を感じていないからだ。
死ぬことが当たり前であり、生きていることが奇跡ということに気づけば、現代人もこの時代の若者のように「生きて」いるという奇跡を感じられるはずだ。
観たかった一本。わずか50年前、こんなに熱を持った学生達が沢山いたことに感嘆した。それに対して一歩も引かずに応えた三島由紀夫氏も凄い。今、三島氏が生きていたら、この日本の現状をどう思うか、聴いてみたい。
この映画を観た。東大駒場キャンパスで公開講座に参加したことがある。それだけに駒場キャンパスで何年も前にこんな凄まじい熱戦が繰り広げられたことを思うと、胸が熱くなる。三島由紀夫さんのひたむきな生き方は忘れられない。一見の価値がある映画だ。
タイトル通り当時は学生だけでなく市民も政治を変えられると信じて熱い思いでデモに参加していました。両者共あげ足を取ることもなく敬意を持って言葉で語り合っています。芥氏はマルクス、レーニン主義を批判し、後に文化大革命で多くの自国民を粛正する毛沢東は論外と語っています。左翼、右翼は見る立場の違いで180度変わります。芥氏のお嬢さんが千人の学生の前で泣きもせず三島氏と見つめ合っている姿流石血筋です。
本当にエネルギーのある偉大な作家であったと思いました。それと同時にふところの広さは人柄と教養からくるものである事も、わかりました。
ほんの少し前の時代の話ですが、そこに生きている人たちの熱量がスゴくて引き付けられました。映像にいた人たちの「今」も興味深かったです。