さざなみ 感想・レビュー 2件

さざなみ

総合評価5点、「さざなみ」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-12

この映画「さざなみ」は、第65回ベルリン国際映画祭で、主演男優賞と主演女優賞を受賞した秀作ですね。

長年連れ添った夫婦の関係が、1通の手紙によって揺らいでいく様子を通し、男女の結婚観や恋愛観の決定的な違いを浮かび上がらせていく人間ドラマでしたね。

この「さざなみ」は、静かな映画ながら、その静謐さの中から、オスカー候補となったシャーロット・ランプリングの怒りと悲しみの表情が、微かな隙間から眼光を光らせているように見え、”さざなみ”のようにざわざわと私の心を恐怖に陥れる凄みがありました。

とにかく、この夫ジェフは、妻の前でそれはないでしょうというくらい脇が甘いですね。
妻ケイトの控えめな仕草と態度が、それだけ彼女の憤怒の深淵さを覗かせているのに、あ~、男って愚かですね。

ジェフは、過去の恋愛の記憶を反芻するようになり、妻は夫に対する怒りや不信感を募らせていくんですね。
 
45回目の結婚記念日で、ジェフと踊るケイトのまなざしに、刹那に感じられた、冷たい刃物の閃きが感じられる、そんな怖い映画でしたね。

P.N.「ポン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2016-06-13

「世間体」という言葉があるが、ラストでザ・プラターズが唄う名曲「煙が目にしみる」に乗ってセンターで踊る夫婦。でも妻の顔が…何とも居心地の悪さが伝わってくる。そして曲が終わると共に彼女が見せた行為にその後のこの夫婦の行く末が暗示されていたようで怖くなった。シャーロット・ランプリングの上手さが光る傑作です。

最終更新日:2024-05-22 16:00:02

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