P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-06-01
生来の無精な性格から、キアヌ・リーブスには無精ひげが似合い、ワイルドなアクション俳優というイメージがある。
個人的には、「スピード」の時のような精悍な感じが好きなのだが。
この「砂上の法廷」では一転して、七三分けにツルンとした、さっぱり顔で法廷劇に臨んでいる。
バイクにまたがって法廷に通うところに、従来のキアヌらしさがあるから、スーツの似合う入廷後の姿に変身ぶりを実感できる。
キアヌ演じる弁護士の資産家の友人が殺害され、17歳の息子が容疑者となる。
有罪を裏付ける証言が相次ぎ、少年は黙秘を続ける。
不利な状況にも、弁護士は辣腕を振るい、証言のほころびを突く。
裁判の行方が混迷する中で、少年が予想外の告白を始めて--------。
テレビの2時間ドラマに収まりそうな題材に、コートニー・ハント監督は、映画らしい厚みを加えている。 自然光の照明は、法廷の人々の心象を陰影で映し出す。 CMを挟んだ予定調和のタイミングではなく、急転、急変で意表を突く。 資産家夫人役のレニー・ゼルウィガーも「謎」をにおわせ、変身キアヌと相まってけむに巻く。 回想シーンに嘘を交えない正攻法でしっかりだまされる。