P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2018-10-26
無神論では無くて一見非合理な〈女神〉こそが青年に数式を導いた様に、実際にも科学上の発見が、ノーベル物理学賞受賞の湯川秀樹氏の場合、中国の老荘の思想から導かれたと云う…。合理的な理性が支配するlogicalな世界に古めかしい考えはそぐわないが,アイデアの着想力は意外な処から来るもんだねえ。アインシュタイン然り、ホーキンス然り…。
きせきがくれたすうしき
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無神論では無くて一見非合理な〈女神〉こそが青年に数式を導いた様に、実際にも科学上の発見が、ノーベル物理学賞受賞の湯川秀樹氏の場合、中国の老荘の思想から導かれたと云う…。合理的な理性が支配するlogicalな世界に古めかしい考えはそぐわないが,アイデアの着想力は意外な処から来るもんだねえ。アインシュタイン然り、ホーキンス然り…。
妻役のデヴィカ・テイセ嬢がインドで只管、待っていて此の愛情の支えと絆が根本に在るんだろう…。学術的に飛び抜けた才能が有っても、象牙の塔は英国ケンブリジ大学でさえ壁は大きかった。医学界の〈白い巨塔〉では無いけれど人事的な面での説得や論文発表での公式スタイルの踏襲や本編では学歴、人種差別、戦時下等の諸困難が其の障壁を更に1段と高いものにしていた。其処の辺を突破する真実のストーリーは希望と勇気と励ましをポジテイブに与えてくれた!
脚本がいい!
正直、またジェレミー・アイアンズかと思いながら見ていましたが、
映画『ある天文学者の恋文』のような他愛無い話を美しい風景映像でごまかした作品と違い、支配する国とされる国の立場、歴史観・宗教観・文化的な価値観など様々な違いをしっかりと描いてあるのがいい。
きれい事と情緒感だけで展開していく某国のチャラい青春映画よ見習いたまえ!
何度か涙し心が洗われた??
インドの天才数学者の稀有な体験とケンブリッジの優れた数学教授との出会いと葛藤と友情が数式の深遠な美と結びつき、深く感動した。
インドの新妻と家族とロンドンのハイクラスの対比も。
「博士の愛した数式」にも繋がる孤高な論理と美の一致にも。
家族をおいてイギリスへ向かうインド人ラマヌジャン、数学への愛、家族への愛、助けてくれる教授、友達への愛、愛に満ちた映画だった。