P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-11-09
大胆なカメラ視点の移動と場面の転換が新鮮な「ラン・オールナイト」は、リーアム・ニーソンが酔いどれの殺し屋を演じている。
主人公は、暗黒街を牛耳るエド・ハリスと幼い頃からの友情で結ばれてきたが、正当防衛とはいえ、一人息子のジョエル・キナマンが、エドの愛息を射殺してしまったことにより、三十年来の関係にひびが入る。
息子を差し出せとの要求に対し、主人公は命に代えても我が子を守り通そうと決意する。
やがて、手下と買収した警官を総動員し、エド・ハリスの大掛かりな人狩りが始まる。
監督は、「アンノウン」、「フライト・ゲーム」でミステリ映画好きを唸らせたスペインのジャウム・コレット=セラ。
意外性よりもサスペンスに軸足を降ろしたこの作品では、タイムリミットに向け、緊張感を巧みに盛り上げていく。
二人の父親を通して、二重に映し出していく、我が子への愛情のあり方もドラマの構図としても悪くない。