イザイホウ 作品情報

いざいほう

沖縄の南東5キロに浮かぶ周囲9キロの小島・久高島は、この映画が撮影された1966年当時、戸数130、人口600人であった。男が漁業、女が農業を営む半農半漁の離島で、せまい島の暮らしは楽ではなく、乏しい水や、土地を平等に分け合って生きてきた。男たちは一人前になるとみんな海へ出て行く。女たちは神事を中心に一体となり、男たちの無事を祈りながら、島を守る。男は海人であり、旅人であり、女はそんな男たちを守る神人であった。久高島は昔から神の島として知られ、今でも島人によって厳粛に受け継がれている年間30にも及ぶ神事が、島の暮らしに組み込まれている。この久高島最大の神事は、12年に1回午年に行われる“イザイホウ”である。この神事は、島で生まれ、生きる30歳から41歳の女が神になり、4日間の本祭を中心に、1ヶ月余りの時をかけて行われる。本作で記録した1966年の後、1978年に行われたのを最後に“イザイホウ”は消滅した。時代の波とともに祭や神事が形骸化し、観光資源に変身したケースは多いが、イザイホウは厳粛な神事の心を失わず、生きたまま消え去ったのである。イザイホウはドラマチックな構成を持ち、歌や踊りの原点ともいうべき内容を持つ、学問上でも価値の高い稀有の神事であった。本作は、その魅力の一端を感じられる貴重な記録である。

「イザイホウ」の解説

神の島として知られる沖縄の離島・久高島で、12年に1回行われていた神事“イザイホウ”の1966年の様子を記録したドキュメンタリー。イザイホウは学問上でも価値の高い稀有の神事であったが、1978年を最後に消滅したため、本作はその魅力の一端を感じられる貴重な資料となる。監督は、「ふじ学徒隊」の野村岳也。2014年12月27日より、東京・渋谷UPLINK FACTORYにて「イザイホウ-神の島・久高島の祭祀-」としてDVD上映。

古から神の島として知られ、今でも多くの神事が暮らしに組み込まれている久高島の最大の神事の様子を捉えたドキュメンタリー。1966年に行われた、30歳から41歳の、島で生まれ生活し続けている女性が神になる神事「イザイホウ」を記録する。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2014年12月27日
キャスト 監督野村岳也
配給 海燕社
制作国 日本(1967)
上映時間 49分
公式サイト http://www.kaiensha.jp/archive.html

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最終更新日:2024-08-21 02:00:10

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