架け橋 きこえなかった3.11 作品情報

かけはしきこえなかったさんてんいちいち

2011年3月11日に発生した東日本大震災。日々、テレビや新聞で被災地のニュースが流れたが、ろう者に関する情報はほとんどなかった。3月22日、同じろう者である映画監督の今村彩子は、被災地のろう者の状況を取材するため、被災地へ向かう。宮城県ろうあ協会や避難所で生活している高齢ろう者の菊地さん夫婦、理容店を営む斉さん夫婦を取材。津波警報が聞こえなかった菊地さん夫婦は、地元の人に教えてもらって避難し、家を津波で流されながらも、命は助かった。津波で営業できなくなってしまった理容店の斉さん夫婦は、放送が聞こえないため避難所への避難を知らなかったという。1ヶ月後。再び宮城を訪れ、宮城県ろうあ協会の支援活動、避難所暮らしを送る菊地さんを取材する。さらに、福島の原発で不安を感じる地元のろう者や福島県聴覚障害者協会の会長にもインタビュー。その取材中、震度6弱の余震に遭遇した今村は、津波警報が聞こえない恐怖を自らの身体で体験し、命を守る情報に格差があってはならないとの思いを強くする。8月。菊地さんが避難所から仮設住宅に引っ越したと聞き、宮城を訪れる。笑顔で応対する菊地さんだったが、家を失った心の傷はまだ癒えていない。斉さん夫婦は全国からの支援で理容店を再開していたが、お客さんが減少。さらに、教育を受けられなかったため、文字の読み書きが苦手な高齢ろう男性にも面会。近所付き合いがないと、ろう高齢者の孤独死の可能性もある。安全を守るために高齢者や障害のある人から玄関の鍵を預かっている名古屋市営住宅森の里荘の自治会にも取材した。年の瀬が迫った12月24、25日。宮城県立聴覚支援学校の中学部の生徒とろうの教諭から話を聞く。さらに、11月に夫が入院し、一人暮らしとなった菊地さんを訪ね、近所とのコミュニケーションについて取材。8月に会った読み書きが苦手な高齢ろう男性の近所の人にもインタビューを行なった。

「架け橋 きこえなかった3.11」の解説

2011年の東日本大震災で被災したろう者の状況を伝えるため、同じろう者の映画監督・今村彩子が現地の様子を取材したテレビドキュメンタリー4本を劇場用に再編集。警報が聞こえなかった夫婦や、教育が受けられなかったために、読み書きが苦手で近所付き合いの少ない高齢者など、ろう者ならではの被災の実態と苦難の生活を追う。

東日本大震災に襲われた宮城で“津波の警報が聞こえなかった”というろうあ者の言葉に衝撃を受けた映画監督今村彩子が、障害者からみた震災について合計4回被災地へ取材に赴き、「架け橋」として4作、シリーズ化するまでを追ったドキュメント。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2013年8月17日
キャスト 監督今村彩子
配給 「架け橋」上映実行委員会
制作国 日本(2013)
上映時間 73分
公式サイト http://studioaya.com/kakehashi/

(C)Studio AYA

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最終更新日:2022-07-26 11:03:28

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