恐怖と欲望 作品情報

きょうふとよくぼう

どこかの国で起こっている戦争。爆撃を受け敵地の森へ墜落した4人の兵士たちがいた。空軍の上官コービー中尉(ケニス・ハープ)、ベテランのマック軍曹(フランク・シルヴェラ)、若い新米のシドニー二等兵(ポール・マザースキー)とフレッチャー(スティーヴ・コルト)二等兵。彼らは森に沿って流れる河を、筏を作り下って脱出することを計画し、その対岸に敵軍のアジトを発見する。マック軍曹は奇襲をかけることを提案するが、コービー中尉に反対される。翌日、河で洗濯中の地元の女性(ヴァージニア・リース)に姿を見られた4人は彼女をベルトで木に縛り付け拘束する。女性の見張をしていたシドニー二等兵は女性に欲情し犯そうとするが、彼女は彼を振り払って逃げ出す。敵に知らされることを恐れたシドニー二等兵はとっさに腰につけた拳銃を抜き、彼女を射殺してしまうのだった……。

「恐怖と欲望」の解説

「非情の罠」以前に製作されたスタンリー・キューブリックの劇場デビュー作。自主制作映画であり、わずかなキャスト&スタッフ、低予算で製作されたにもかかわらず、公開時は批評家などからは好評だったのだ。しかし、キューブリック本人が本作を「アマチュアの仕事」と、プリントをすべて買占め封印してしまったため、長らく劇場で上映する機会がなかった。2013年5月3日よりオーディトリウム渋谷ほかにて、日本初公開された。

完成度に満足しなかったスタンリー・キューブリックが、自らの手で封印していた初長篇作。敵陣の森へと撃墜された空軍兵士たちは、筏で河を下って脱出を図ることに。だが、洗濯にやってきた女性に自分たちの姿を目撃されてしまう。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2013年5月3日
キャスト 監督スタンリー・キューブリック
出演ケニス・ハープ フランク・シルヴェラ ポール・マザースキー スティーヴ・コルト ヴァージニア・リース
配給 株式会社アイ・ヴィー・シー(コピアポア・フィルム)
制作国 アメリカ(1953)
上映時間 62分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「PineWood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2017-03-23

フルメタル・ジャケットでのラストシーンが瀕死の女スナイパーへの(愛のショッテイング)であった様に。雨に唄えばのパロデイとしての<時計仕掛けのオレンジ>のバイオレンスはサム・ペキンパー監督の<わらの犬>と同様にエロスとタナトスが主題だった。本編は邦画<野火>と共通の極限状況での無感覚、幻覚としての神等等の要素に満ちていた…。エロスでは遺作<アイズワイドシャット>の様な完璧主義者スタンリー・キューブリック監督が、タナトス或いはメメント・モリつまり死への想いが其処に在った事だけは真実だろう…。

最終更新日:2022-07-26 11:03:29

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