わたしは目撃者 作品情報
わたしはもくげきしゃ
フランコ・アルノ(K・マルデン)は、元新聞記者だったが、失明して記者をやめてから盲人のカンを働かせて、謎やパズルを解くことを職業としながら八歳になる姪のロリーと暮していた。ある夜、アルノがロリーに伴われて家に帰るとき車の中で押し問答する二人の会話を耳にした。アルノの家の向いに、人間の染色体を研究するテルジ研究所があった。テルジ博士を始め、エッソン、カソニ(A・レジアー二)、ブラウン(H・フランク)などトップクラスの教授たちがいた。ある夜、この研究所に何者かが忍び込んだが、貴重なものが盗みだされた形跡はなかった。研究所に何か事件が起こったことを感じたアルノは、新聞記者ジォーダニ(J・フランシスカ)にあった。数日後、車の中で話していた、研究所の教授カラブレシが、ホームで列車に轢かれて死んだ。彼の死は事故死として報道されたが、あるカメラマンが事故の直前に偶然に撮影した写真にはカラブレシをつき落とした人間の手がうつされていた。数時間後、ジォーダニとアルノがカメラマンを訪ねると、カメラマンは何者かに絞殺されていた。ジォーダニは早速、テルジ研究所を訪ねて教授たちにあった。テルジ博士の娘アンナ(K・スパーク)にもあった。ジォーダニはアルノの提案により、カラブレシの婚約者であったピアンカに電話をかけ、カラブレシの書類の中に、彼を殺した犯人の手掛りになるようなものはないか調べてほしいと頼んだ。彼女はカラプレシの住所録の中に怪しいものを発見したので、ロケットの中に隠しジォーダニに手渡そうとしたが、彼女もまた何者かのために殺された。度重なる殺人事件は、益々複雑怪奇となり、遂に迷宮入りとなった。やがてアルノは、事件を解く謎は彼女のロケットに隠されていたことに気づいた。ジォーダニとアルノは教会の墓地にある霊安所へでかけた。ジョーダニはアルノを外に待たせ、ピアンカの棺を開け、ロケットの中からアドレスを書き入れた紙片を取った。そのとき、急に何者かに襲われ、ジョーダニは霊安所に閉じこめられた。アルノはいつも持っている仕込杖で暴漢に傷を負わせて撃退した。その男は逃げる間際、ロリーを人質にした、事件から手をひかなければロリーを殺すといった。アルノの猟犬のような鋭いカンが働きだした。犯人は研究所の教授だった。研究所の秘密を盗みだし、それを売って私腹をこやしていたが、次々に発覚し、その度に殺人を犯していたのだ。
「わたしは目撃者」の解説
謎の連続殺人事件と少女誘拐事件を追う新聞記者の姿を描くサスペンス編。製作はサルバトーレ・アルジェント、監督・原案・脚本はダリオ・アルジェント、撮影はエンリコ・メンチェール、音楽はエンニオ・モリコーネが担当。出演はジェームス・フランシスカス、カール・マルデン、カトリーヌ・スパーク、ピエール・パオロ・カポーニ、ホルスト・フランク、ラダ・ラシモフなど。日本語版監修は岡枝慎二。イーストマンカラー、クロモスコープ。一九七一年作品。2024年11月8日より「ダリオ・アルジェント 動物3部作」にて上映。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1972年10月28日 |
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キャスト |
監督:ダリオ・アルジェント
出演:ジェームズ・フランシスカス カール・マルデン カトリーヌ・スパーク ピエル・パオロ・カッポーニ ホルスト・フランク ティーノ・カラーロ |
配給 | 20世紀フォックス映画 |
制作国 | イタリア 西ドイツ フランス(1971) |
上映時間 | 115分 |
公式サイト | https://animal-trilogy.jp/ |
(C)TITANUS Licensed by RAI Com S.p.A. - Rome, Italy. All Rights Reserved.
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ユーザーレビュー
総合評価:3点★★★☆☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2024-05-14
目撃者と言いながら、この映画の主人公は盲目の老人だ。妙な邦題なのに誰も不思議に思わないのは、観ているうちに難解なミステリーの展開に呑み込まれて、そんなことはどうでもよくなってしまうからだろう。
そして、この映画は数ある伏線が全くといっていいほど、犯人に繋がらないため、主人公だけでなく観ている者も推理不可能な状態に陥ってしまう。
これが狙いだったら凄いとは思うのだが、後に「ダリオ・アルジェンド作品はストーリー構成が破綻している」と言われ続けるが、この映画はその第一歩と言える作品なのかもしれない。
ダリオ・アルジェントの映画の主人公は、1980年代に低年齢化したが、この映画は8歳の女の子が拉致されるシーンがあり、その片鱗をうかがわせていると思う。
また、電車とホームの隙間に首を挟まれて死体が回転するシーンは圧巻で、伏線がなってないのは、このようなショッキングなシーンに力をいれ過ぎたせいなのかもしれない。