P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2021-02-15
現実の取材ドラマと過去とがどう交わるかが息詰まる本篇の見処何だね
さらのかぎ
総合評価4.67点、「サラの鍵」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
現実の取材ドラマと過去とがどう交わるかが息詰まる本篇の見処何だね
東京国際映画祭会場で観賞した想い出の作品…。監督自身はヌーベルヴァーグの騎手フランソワ・トリュフォー監督〈終電車〉等のユダヤ人関連のレジスタンスものを意識してはいないものの本篇の描いた文藝の世界はワールドなスケール。併せてミステリーtouchなスタイルを持つ!
かなりの秀作。
遅ればせながら見ました。
見ている人に深く問いかけてくる、考えさせられる映画です。
史実を知らない登場人物はまるで私たちのよう。
サラの心の闇が、それを解きあかしていく主人公の悲しみが、映画を見終わったあとにも重く重く伝わってきます。
真実を知った息子の悲しみの中で、同じ空間にいる生まれてきた命の輝きに目を奪われ、未来を信じる希望を感じさせています。
心が震える秀作!!
彼女の名前はサラ。弟の為の鍵が、自分の生死をも分けるキーとなるとは…。
自責の念にかられる気持ちと、ユダヤ人であることの不安感。
特に後半、二つの話が交錯して、自分は涙が止まらなかった。
パリの住民をパリ人がアウシュビッツへ送った事実に驚愕。弟を助けるために納戸に鍵をかけたサラを両親は責めた。サラは生涯、両親の言葉を忘れずに、自分を責め続けた。しかし、一筋の光は息子を残したこと。悲しいルーツがあっても、繋がっていれば新しい時代の光が生まれる。悲しみの中にも、そんな希望を与えてくれた映画でした。サラが収容所から脱出した時の黄金の麦畑が、未来への光を暗示しているようだった。
実話なので、淡々とストーリーを追う感じ。歴史を知る意味で見る心構えなら5つ☆