P.N.「ヤマグチゴロン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2019-05-09
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
原作漫画にとっぷりはまった身としては、さしたる期待をせずに鑑賞したせいか原作の流れを壊さず、美女丸対決~加藤清正劇的暗殺クライマックスまで一気に体感でき、二次元が三次元になって感動ーっ!…が素直な印象。ただ物足りない。映画化の意味も上戸彩企画以上のものは見出だせない。「あずみ」とは、スーパーエリートこども刺客暗殺集団のなかでも間違いなくナンバー1、ある種「超能力者」といってもいい絶対的存在。そんな孤独で純粋過ぎる暗殺者の彼女が、次元の異なる掛け離れた世間と如何に折り合いを付け、愛を渇望しながら、自らを全うしていくかが物語の本質。天才少女が自らの宿命に葛藤する定番の展開を映像化するには、やはり冒頭で驚異的なスーパーガールエピソードがまだまだ不足しているのだ。周囲がスローモーションに見えるほど驚異的速度の剣さばきとか。絶対的危機も度胸・知略で乗り越えるだとか。人の心を読めるだとか。尺の制限もあろうが、かように前半であずみのジレンマの種を執拗に蒔いておくことがまずは不可欠。ひいては原作の「孤独な天才」テーマのビジュル化成功へと結実したのでは。