ムーランルージュの青春 作品情報

むーらんるーじゅのせいしゅん

“ムーランルージュ新宿座”とは、浅草の玉木座の支配人だった佐々木千里が1931年(昭和6年)の暮れに開館した、芝居とレビューを提供する常設の劇場。屋根の赤い風車が目印となり、魅惑的なレビューダンスだけでなく、風刺劇や抒情劇で学生やインテリ層の人気を集め、戦争を挟んで新宿の街で20年もの間オリジナルのドラマを発信し続けた。この小さな劇場からは、有島一郎、望月優子、明日待子、森繁久弥、三崎千恵子、由利徹といった名優たちも巣立って行った。“歌ありコントありトークありのバラエティ”という言葉を生んだのも、この劇場。劇場が閉館してから60年。映画「二十四の瞳」や「幕末太陽伝」などの美術を手掛けた中村公彦が晩年、自分の美術監督の出発であったムーランルージュ新宿座の記録を残すための活動を開始する。中村は、映画の製作開始前に亡くなったものの、その遺志を継いだスタッフが活動を継続。やがてかつてムーランで活躍した女優、大空千尋に辿り着く。彼女のインタビューからムーラン関係者が1人1人パズルのように繋がり、楠トシエさんまで延べ20人に及ぶ貴重な証言を得ることとなる。何よりも大きな発見は、今でいうアイドルの元祖がこの劇場のトップスターだった明日待子だったという事実。15、6歳の無垢な踊り子を、男の子役として芝居に起用。胸の膨らんだその少年の一言二言に若い観客はドキドキしたという。トップアイドルだった明日待子と小柳ナナ子は、当時の雑誌や新聞に紹介されコマーシャルモデルやレコード、映画出演にと活躍。今と変わらない10代のアイドルだった。明日待子は、初代カルピス“初恋の味”のコマーシャルモデルでもあった。本作は、数少ないムーラン出身者に取材をして隠れていた貴重な資料や証言を拾い上げた貴重な記録映画である。

「ムーランルージュの青春」の解説

昭和初期から戦後にかけて人気を集めた劇場“ムーランルージュ新宿座”の歴史を振り返るドキュメンタリー。“歌ありコントありトークありのバラエティ”という言葉を生み、有島一郎、森繁久弥、由利徹といった名優を輩出した劇場の歩みを、関係者の証言と舞台の再現映像で辿る。同劇場出身の三崎千恵子(「男はつらいよ」)も出演。

1931年にオープンし、20年にわたって華麗なレビューショーと芝居で人々を楽しませていた新宿の大衆劇場“ムーランルージュ新宿座”。当時の関係者による証言からその栄華盛衰に迫りつつ、昭和の娯楽文化史をも俯瞰していくドキュメンタリー。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2011年9月17日
キャスト 監督田中じゅうこう
出演明日待子 中村公彦 三崎千恵子 野末陳平 中島孝 楠トシエ 築地容子 森川時久 大空千尋 本庄彗一郎 藤枝利民 小峰葉子 宮里明見 奈良典子 小澤公平 ラサール石井
配給 アルゴ・ピクチャーズ
制作国 日本(2011)
上映時間 109分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2022-08-12

💃先日放送されたNHK総合のドラマ〈アイドル〉は本・明日待子の物語だった。ムーランルージュを舞台にした劇映画では〈モンパルナスの灯り〉〈フレンチ・カンカン〉〈ムーランルージュ〉等色々と想い浮かぶけど,新宿の赤い風車は懐かしい👠

最終更新日:2022-08-22 16:00:01

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