P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-05-14
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
この映画「サンクタム」の壮絶なサバイバル劇は、まさに手に汗を握ります。
閉所、狭所、暗闇、水------私の苦手なものばかり!!
空気はないし、見ているだけで、もう息苦しくなってしまいました。
あんな所を探検しようとするなんて、閉所恐怖症の私には信じられません。
自然の脅威に、自ら飛び込んでいく冒険家は、常に危険と隣り合わせで、何らかの犠牲、そして最悪は、死もあるという覚悟が、出来てないとダメですね。
主人公のフランクは、本物の冒険家なので、仲間の死も冷静に受け止めます。
楽にさせてやるため、水に沈める事もあります。
それを息子のジョシュやスポンサーのカールは、「どういう人間だ」となじるんですが、ジョシュたちこそ、甘ったれにしか見えません。
カールのガールフレンドも、冒険の恐ろしさを分かっていませんでしたね。
過酷な状況で冒険を成し遂げるには、自分にも他人にも厳しくないといけないということを痛切に感じました。
ジョシュは、そんな父フランクを、自己中心的で高圧的だとずっと反発してきました。 しかし、降りかかる危険をかわし進んで行くにつれ、少しずつ父を見直していく事になります。 父の方も、ジョシュが得意なロッククライミングで、ザイルを対岸にかける事を成功させてから、息子の成長を改めて感じるようになるんですね。 そして息子がだんだん、父に似た行動を取るようになっていくのです。 やっと空が見える場所に辿り着くも、上に登れそうにない時、父は判断を息子に託します。 父が子を認め、子が父を超えようとする--------。 そんな瞬間が、一筋の光のようで良かったですね。 二人の間に、初めて親子の絆が芽生えたというのに、裏切ったカールが、狂ったようにフランクを襲います。 パニックにおける人間模様が、いろいろ組み込まれていたと思いますね。 それでも、若者が人間的な成長を見せてくれて、救いのあるラストでした。 フランクのような頼りがいのあるオヤジさん、いいですよね。