P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-06-11
本篇のエンドロールに流れるlのがlittle oneのソング。監督のロドリコ・ガルシア曰く「映画のラストに唄が聴ける何て素敵なことでしょう!」
あいするひと
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本篇のエンドロールに流れるlのがlittle oneのソング。監督のロドリコ・ガルシア曰く「映画のラストに唄が聴ける何て素敵なことでしょう!」
スチィーブン・スピルバーグ監督作品「A.I.」の母親のフランセス・オコナーを視ていると,何故だか本篇の母娘の関係或いはナオミ・ワッツが出産して母に為るシーンが蘇って来る。此の様な〈マザー映画〉の傑作チョイスの特集を何処か名画座で企画したら通いたいと想った次第
ブラジル映画「彼の見つめる先に」を観て母親役の俳優が一寸本編のアネット・ベニングに似ていて、眼の不自由な息子の留学には反対するけどマイノリテイに理解を示して何とも素敵だった。併映のイタリア映画「君の名前で僕を呼んで」でも傍役だけどカミングアウトを尊重した親も佳かった!大人と対等に子どもの個性を重んじる習慣が感じられてね
映画「クリーブランド監禁事件」の事件発覚のその後の件を見ていると我が子を已む無く手離さざるを得なかった苦痛が本編を思い出させた…。「クリーブランド…」では執拗に監禁犯を説得して行く人道的立場のヒロインの姿が物凄く佳かった!
本編に出ていたケリー・ワシントン主演の映画〈アニタ~世紀のセクハラ事件〉を観た。大学教授を演じ黒人判事をセクハラで訴えた実話の映画化だった。判事がセクハラ問題を人種問題に摩り替えたり二大政党間の勝ち負けの応酬戦、格好のマスコミネタにされ、傷付きながらも孤軍奮闘している姿が大変に印象的なのだった。
千葉市美術館でビクトリア時代の画家ウオルター-クレインの展覧会に行ったら(母と娘)の本編の様な優雅なタッチの絵本が有ったー。本編の逆光効果の撮影も美しい♪ナオミ・ワッツが友人の夫と出来てしまう映画<夫以外の選択肢>もTV 放映で見ましたが倦怠期の夫婦のリアルさにドキッとさせられた。こんな不倫で一寸後ろめたい気分ののナオミ-ワッツも珍しい…。相手がマーク-ラファロと言うのも味がある。
ロドリゴ・ガルシア監督の母子に注がれる暖かな視線…。本当に妊娠中のナオミ・ワッツのセミ・ドキュメントな愛らしさ!!エンドロールに流れる歌の醍醐味…。本編は何度も見たくなる様な作品の一本です♪
テーマは女の人生。傷ついて生々しい、そしてその細やかさにいつしか自然に入り込む。言葉にできない何かが俳優も空気も観客も全て包み込み一つにしていく。予告編とは又違う印象。泣くのではなく、励まされ暖められる深さが此処にはある。興業的とは言えないが映画らしい余韻のある秀作。意固地なカレンを元々可愛いアネットが演じたので後半の柔らかさは出色。ナオミワッツも孤独で美しい弁護士を好演。脇役も全員上手い。