第9地区 作品情報

だいきゅうちく

28年前、正体不明の巨大宇宙船が突如、南アフリカ共和国に飛来した。しかし、そのUFOは首都ヨハネスブルグ上空に浮かんだまま、まるで動こうとしない。痺れを切らした南アフリカ政府はヘリコプターで偵察隊を派遣。船内で彼らを待ち受けていたのは、不衛生で弱り果てたエイリアンの群れだった。彼らは故障した宇宙船に乗った難民だったのだ。処遇が決まるまで、エイリアンはヨハネスブルグにある第9地区の仮設住宅に住まわされることになる。だが、言葉も通じず、野蛮で不潔なエイリアンたちが一般市民と折り合いがつくはずもなく、彼らは下級市民として蔑まれる。何の進展もないまま月日が流れ、エイリアンの管理事業は民間企業マルチ・ナショナル・ユナイテッド社(MNU)に委託されることになった。軍事企業でもあるMNUの傭兵部隊によって力による平和が訪れるかと思われたが、MNUが彼らの世界に介入することはなく、第9地区はスラムと化していく。市民とエイリアンの対立が激化したことを受けて、MNUは第9地区から郊外にある第10地区へ彼らの強制移住を決定。第10地区は第9地区よりもさらに劣悪な環境だったが、MNUは彼らの福利厚生に興味はなかった。立ち退き作業を始めるにあたり、MNUはヴィカス・ヴァン・ダー・マーウィ(シャルト・コプリー)を現場責任者に指名する。事情を把握していないエイリアンたちから、承認のサインを無理矢理取りつけるのが彼の任務だった。しかし、第9地区内の小屋を調査している際に、ヴィカスは謎のウィルスに感染。報告を受けたMNU上層部はヴィカス捕捉の指示を出す。何の説明もなく執拗に追跡してくるMNUの行動にヴィカスは逃げ出すしかなかった。第9地区に逃げ込むと、そこにクリストファー・ジョンソン(ジェイソン・コープ)と名乗るエイリアンが現れる。そして、ヴィカスはボロボロの小屋の地下で見たこともない科学技術を集結させた設備を目撃する……。

「第9地区」の解説

突如難民として地球上で暮らすことになったエイリアンと、彼らに困惑する人間の姿を描くSFドラマ。監督・脚本は本作が長編デビューとなるニール・ブロンカンプ。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソンが製作を担当した。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2010年4月10日
キャスト 監督ニール・ブロンカンプ
出演シャルト・コプリー デヴィッド・ジェームズ ジェイソン・コープ ヴァネッサ・ハイウッド シルヴェイン・ストライク ジョン・サマー ウィリアム・アレン・ヤング ニック・ブレイク バリー・ストリドム ジェド・ブロフィー ヴィットリオ・レオナルディ ルイ・ミナー ティム・ゴードン モーン・エラスムス アンソニー・ビショップ
配給 ワーナー・ブラザース映画=ギャガ
制作国 アメリカ 南アフリカ ニュージーランド(2009)
年齢制限 PG-12
上映時間 111分

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ユーザーレビュー

総合評価:4.17点★★★★☆、30件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-17

この映画「第9地区」は、ピーター・ジャクソン製作、ニール・ブロムカンプ脚本・監督で、公開以来大いに話題を呼び、作品賞枠が10本に拡大された米アカデミー賞にノミネートされて、一躍名を上げた異色SF作品ですね。

南アフリカ、ヨハネスブルグ上空に出現した巨大宇宙船からの「難民」であるエイリアンたちが、被差別民的に暮らすスラム街、第9地区。

このエイリアンたちを、別の専用居住地区へ強制移住させるための現場監督を任せられた職員を主人公にして、フェイク・ドキュメンタリーのタッチで現実社会における人種隔離や差別、文化の衝突を風刺的に描きつつ、B級魂が炸裂するアクション・アドベンチャーになっていると思います。

テーマ、スタイル、エンターテインメントのユニークな融合と、映画好きの心をくすぐるディテールや笑える設定、描写山盛りのサービス精神に思わず顔がほころんでしまう快作だ。

最終更新日:2024-06-27 16:00:02

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