妻の貌 作品情報
つまのかお
平成12年、川本昭人と妻・キヨ子は孫が入選した展覧を見に、広島平和記念資料館を訪れる。昭和19年、キヨ子は女子挺身隊として勤務していた軍需工場で昭人と出会い、その後、19歳で被爆する。家族を失い、キヨ子自身も異常な倦怠感に悩まされるようになる。昭和43年10月、キヨ子は甲状腺がんの切除手術を受ける。父の跡を継いで酒造会社を経営している昭人は、昭和2年、双子として生まれ、5歳で弟を亡くした。昭和19年、学徒動員で工場に派遣されるが、結核で8年間の療養生活を送る。昭和28年、2人は結婚した。昭和61年、長男夫婦の長女の雛祭りを祝う傍らでは、昭人の母・ワカノが寝たきりで、被爆の後遺症に苦しむキヨ子の介護を受けている。6月、長男夫婦に次女が誕生する。次男も結婚し、平成6年に長女を授かる。平成8年、キヨ子はベッドに横になりながら、ワカノの介護を続けている。キヨ子の姉・テツ子が見舞いに訪れる。テツ子も被爆し甲状腺がんの切除手術を受けたが、73歳で現役の舞踊家として活動している。キヨ子の弟は原爆で、新妻を残して死亡した。キヨ子は弟の妻だった人からの手紙を読み、涙ぐむ。平成8年4月、ワカノが緊急入院する。8月、ワカノは退院するが容態が急変し再び入院し、9月、98歳で永眠する。平成9年7月、キヨ子は広島赤十字原爆病院に入院する。原爆症患者の女性と同室になったキヨ子は、当時の話を聞き、原爆で受けた傷を見せてもらう。キヨ子は退院するが、自分を必要としてくれたワカノの不在に苛立ち、昭人に当たる。庭の池で錦鯉が死んでいるのを見つける。キヨ子はそれを庭の片隅に埋めてやる。お盆の準備をするキヨ子は、ワカノの遺影に自宅で看取れなかったことが心残りだと話しかけると語る。平成19年2月、キヨ子は病院で診察を受ける。採血をするキヨ子の後ろ姿に、昭人が撮った短編「私のなかのヒロシマ」のキヨ子の姿が重なる。キヨ子は「私のなかのヒロシマ」を見て、早く元気になりたいと涙を流す。
「妻の貌」の解説
酒造会社を経営しながら、3度の東京国際アマチュア映画コンクール受賞を果たしている映像作家・川本昭人が、原爆症に苦しむ妻の姿を映したドキュメンタリー。神奈川映像コンクールグランプリ(短編)を受賞し、山形国際ドキュメンタリー映画祭2001招待作品となった同題の短編作品を、劇場公開用長編として再編集した。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2009年7月25日 |
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キャスト | 監督:川本昭人 |
配給 | 「妻の貌」上映委員会 |
制作国 | 日本(2008) |
上映時間 | 114分 |
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