P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2024-06-01
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そして、何よりも言葉に頼り過ぎていると思います。
映画という表現媒体では、締めのひと言の重みを出すのは難しいものです。
神父の悲劇だったはずのドラマが、最後のセリフによって校長の悲劇に逆転するはずなのに、それが決まらない。
映像が言葉に先行するという、映画と演劇の違いを改めて思い知らされました。
だうとあるかとりっくがっこうで
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そして、何よりも言葉に頼り過ぎていると思います。
映画という表現媒体では、締めのひと言の重みを出すのは難しいものです。
神父の悲劇だったはずのドラマが、最後のセリフによって校長の悲劇に逆転するはずなのに、それが決まらない。
映像が言葉に先行するという、映画と演劇の違いを改めて思い知らされました。
この映画「ダウト あるカトリック学校で」を観終えて、まず思ったのは、このドラマを舞台劇で観たら、さぞ面白かっただろうなという事です。
元々この作品は、ブロードウェイの舞台でトニー賞を受賞した大ヒット舞台劇の映画化作品で、1964年のニューヨークのカソリック・スクールが舞台となっています。
苛烈な規律を強いる校長(メリル・ストリープ)の下に着任したのが、規律よりも生徒の自主性を重んじる神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)。
その神父が、アフリカ系の生徒に性的ないたずらを加えているのではないかと、校長が疑いを抱きます。
神父は、本当にやったのか?
脚本は、その答えを巧みに避けていると思う。
更に、校長と神父の対立には、厳格と寛容、禁欲と享楽、伝統と革新、そして逸脱への不信と統合への過信など、様々な”二律背反的な対立”が潜んでおり、このドラマに深い奥行きを与えていると思う。
この事からも、このドラマは、実によく練られた、いい舞台劇だという事がよくわかります。
だが、映画としては、かなり疑問が残ります。