イースタン・プロミス 作品情報

いーすたんぷろみす

ロンドン。助産婦アンナ(ナオミ・ワッツ)が働く病院に妊娠した少女が運び込まれ、出産後息絶える。アンナは身元を知るため彼女の日記を読む。日記はロシア語で書かれ、あるロシアン・レストランのカードが挟まっていた。ロシア語が読めないアンナはカードを頼りに店へ行く。オーナーのセミオン(アーミン・ミューラー・スタール)は少女のことは知らなかったが、日記を翻訳しようと申し出る。店の前でアンナはニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)と出会う。アンナはセミオンに日記のコピーを渡しに行き、再びニコライと会う。彼は、ロシアン・マフィア“法の泥棒(ヴォリ・ヴ・ザコネ)”の後継者キリル(ヴァンサン・カッセル)の運転手だった。バイクが故障したアンナをニコライは車で送っていく。恋人の子供を流産した過去があるアンナは母親ヘレン(シニード・キューザック)と同居し、その家にはロシア人で自称・元KGBの伯父ステパン(イェジー・スコリモフスキー)が出入りしていた。ステパンは日記を読み、少女が14歳の娼婦でレイプの末妊娠した事実を知り、アンナに深入りするなと忠告する。セミオンが病院を訪れ、キリルの残忍な行為が記された日記を返せば少女の住所を教えると言う。実はセミオンはキリルの父親で、“法の泥棒”のボスだったのだ。取引の場にニコライが現れる。アンナは伯父や母親と共にレストランで日記を返すが、少女の住所はわからなかった。実は少女をレイプしたのはセミオンだった。セミオンはステパンの殺害をニコライに命じ、ステパンはアンナたちの前から消える。キリルはチェチェン人マフィアを殺害し、セミオンに責められる。セミオンは切れ者のニコライを正式な一員に迎える。ニコライは会談に出掛けた大衆浴場で、彼をキリルと間違えたチェチェン人マフィアに襲撃される。それは息子を思うセミオンの罠だった。負傷したニコライはアンナの病院に運ばれる。ニコライは彼女に、伯父は保護されていることを教え安心させる。そのとき警察がニコライとの面会を求めてくる。

「イースタン・プロミス」の解説

ロンドンのロシアン・マフィアの世界をリアルな映像で描いた人間ドラマ。監督は「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のデイヴィッド・クローネンバーグ。出演は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのヴィゴ・モーテンセン、「21グラム」のナオミ・ワッツ。2007年トロント国際映画祭観客賞受賞、2008年アカデミー賞主演男優賞ノミネート。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2008年6月14日
キャスト 監督デヴィッド・クローネンバーグ
出演ヴィゴ・モーテンセン ナオミ・ワッツ ヴァンサン・カッセル アーミン・ミューラー=スタール シニード・キューザック イエジー・スコリモフスキー
配給 日活
制作国 イギリス カナダ(2007)
上映時間 100分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、5件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-07-13

ロンドンの街に広がるロシアン・マフィアの影。
その犠牲となった少女の遺した手記を手にした、助産師ナオミ・ワッツは、産み落とされた遺児の身元を探したために、マフィアに追われる身となってしまう。

全編を通して非常に暗い。ましてや監督は、「ビデオドローム」や「イグジステンズ」など、肉体のグロテスクな変容に取り憑かれてきたデヴィッド・クローネンバーグですから。
何か、とてつもなく悪い予感がしてきます。

ところが、観終わって、後味はそう悪くないのだ。
それどころか、闇に沈むロンドンの片隅に咲いた一輪の花という味わいなのだ。

ただ、そうは言ってもクローネンバーグの映画だから、バイオレンスは、たくさんあって、死体の身元を隠すために、指先を一本一本切り落とす。

最終更新日:2024-07-23 16:00:02

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