ドモ又の死 作品情報
どもまたのし
ドラッグ中毒者のための更正施設、ハマー・ナナの家。この古く寂れた施設で暮らすのは、反抗的で無愛想な戸部=ドモ又(江本純子)、優等生だけれど泣き虫のとも子(三輪明日美)、男言葉で話すリーダー的存在の花田(藤谷文子)、常に心虚ろな澤本(野村恵里)、お調子者の瀬古(高野ゆらこ)、花田にくっついて歩く青島(つるうちはな)の六人。心に問題を抱えたジャンキーな女たちは、お互いを必要としながらも、ときに傷つけあいながら共同生活を送り、油絵やドライフラワー作りといった更正プログラムをこなしている。しかし、入院中の院長(萩尾望都)に代わって施設を支配するスパルタ主義の教官(片桐はいり)によって、更正カリキュラムは迷走。スポンサーである九頭竜(大塚寧々)はそんな施設の状況を疑問視し、援助を打ち切ろうとする。しかし、ドモ又に憧れる九頭竜の娘ユカ(柳英里沙)がこれに反発する。そんな中、彼女たちに新たなプログラムが与えられる。それは芸術家の青年たちの苦悩を描いた戯曲『ドモ又の死』を上演すること。“若くして死ぬことこそ、自らの芸術を世間に認めさせる最良の手段である”。そう信じて、仲間のうちの誰か一人に死を装わせようとする五人の貧乏画家と、モデルに雇われたひとりの女の物語だった。クリスマスに予定されている発表会に向けて続く稽古の日々。次第に演じることに没頭していくドモ又たち。だが、発表会の直前にひとつの悲劇が訪れる。遂に開演した『ドモ又の死』。果たして、彼女たちはそこで何を見せるのか?
「ドモ又の死」の解説
大正時代の作家、有島武郎の戯曲『ドモ又の死』を劇中劇として取り入れながら、現代に生きる女性たちの姿を描くミュージカル映画。監督は「カインの末裔」がベルリン国際映画祭に出品された他、宝塚歌劇などの舞台でも活躍する映像作家、奥秀太郎。主演は、劇団『毛皮族』の江本純子。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2008年6月14日 |
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キャスト |
監督:奥秀太郎
原作:有島武郎 出演:江本純子 三輪明日美 藤谷文子 野村恵里 高野ゆらこ つるうちはな 柳英里紗 片桐はいり 萩尾望都 大塚寧々 |
配給 | NEGA2007 |
制作国 | 日本(2007) |
上映時間 | 80分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「水口栄一」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-03-09
ドモ又の死を観て、とても感動した。これはあらためて、芸術とは何か、人間とは何か、人生とは何かについて考えさせてくれたからだ。原作は有島武郎さんだ。私にとって有島武郎さんは決して忘れることのできない作家だ。有島武郎さんにはカインの末裔、生れ出づる悩み、或る女などの作品があるが、私は有島武郎さんの小説を読んで、それがきっかけとなって創作童話を書いたからだ。私は20才の時、ある雑誌に夕焼けの詩という創作童話を発表したのだ。それだけにこの映画はひじょうに関心があった。これはまた観たくなる作品だ。