陰日向に咲く 作品情報
かげひなたにさく
観光バスの運転手シンヤ(岡田准一)は、ふとしたきっかけで浅草で寿子(宮崎あおい)と知り合う。寿子は、35年前に浅草で芸人をやっていた母・鳴子(宮崎あおい・2役)の消息を追っていた。鳴子は、売れない芸人の雷太(伊藤淳史)とコンビを組んで、ストリップの幕間に漫才をやっていたのだ。しかし、雷太の行方はわからなかった。パチンコ依存症のシンヤは、借金を重ねたあげくオレオレ詐欺に手を染める。その相手の老婆こそ、雷太が浅草時代に思いを寄せていた前衛ストリッパーのジュピター(緒川たまき)だった。一方、崖っぷちアイドルみゃーこ(平山あや)を熱烈に応援するゆうすけ(塚本高史)は、小学生の頃の初恋の記憶を引きずっていた。その相手こそ、現在のみゃーこだった。ゆうすけらの努力によって、みゃーこは再びブレイクのきっかけをつかむ。エリート会社員のリュウタロウ(三浦友和)は、妻を亡くし息子から絶縁された心の痛みから、休暇を取って新宿でホームレス生活を始める。そこで出会ったのは、ホラ吹きで知られるカリスマ的なホームレスのモーゼ(西田敏行)だった。気楽そうに見えるモーゼだが、彼もまた悲しい過去を背負っていた。いよいよ借金で首が回らなくなり、弁護士センターへ相談に赴いたシンヤは、そこで寿子と再会する。彼女は、弁護士だったのだ。台風の豪雨の中、老婆の死を知らされて、彼女のアパートを訪れるシンヤ。そこには、ジュピターの居場所を知った寿子もいた。そして、かつてのプードル雷太が成長した姿のモーゼも、ジュピターと最期の別れにやってきた。人と人を結ぶ絆の深さを知ったシンヤは、亡き母と暮らした生家に向かう。そこには、父のリュウタロウがいた。二人は、思い出の桃の樹の下で記念写真を撮る。台風一過の空は、抜けるような快晴だった。
「陰日向に咲く」の解説
それぞれに心の傷を抱えた9人の男女の人生が、台風の夜に交錯する群像ドラマ。芸人としても俳優としても活躍する劇団ひとりのベストセラー小説を、「電車男」の金子ありさが脚色し、「そのときは彼によろしく」の平川雄一朗が監督した。「木更津キャッツアイ」シリーズの岡田准一をはじめ、「ザッド ヴァケイション」の宮崎あおい、「釣りバカ日誌」シリーズの西田敏行、「転々」の三浦友和らが出演。日陰に生きる不器用な人々の健気さが愛しいヒューマン・コメディ。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2008年1月26日 |
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キャスト |
監督:平川雄一朗
原作:劇団ひとり 出演:岡田准一 宮崎あおい 伊藤淳史 平山綾 緒川たまき 塚本高史 西田敏行 三浦友和 |
配給 | 東宝 |
制作国 | 日本(2008) |
上映時間 | 129分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:3.63点★★★☆☆、54件の投稿があります。
P.N.「浅草麦とろ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2022-04-18
泣かされた。晴天の霹靂でも、人生の光と陰、親子の情愛を上手く描く。「桃」の本当の意味、ジュピターの手紙やお菓子の缶…母親とは、本当に愚かで哀しい生き物、だが尊い。偽の健一からの電話だけが、孤独な女性の支えだったなんて(涙)アキバのオタク店長の初恋も、美しかった。モーゼもサラリーマンも、全ての人々に、各々の人生があった。人や人生を、抱きしめたくなる様な映画。ラストも、劇団ひとり、らしい。陰でも、一所懸命咲いてる人ならば、きっといつか日が射す時が来ることを信じて…