ヒョンジェ 作品情報
ひょんじぇ
1968年、川崎でシージャック事件が発生した。多数の人質を楯に取り、発砲を繰り返す犯人(金山一彦)が一人の人質に銃口を向けたその時、ある警視庁狙撃隊員の発砲によって犯人は射殺された。それから11年後、1979年大阪。通天閣を間近に見上げる街にロックンロールに熱中する高校2年生、加納純(高野八誠)の姿があった。在日朝鮮人学生とのケンカの絶えない毎日の中で、純は幼い頃から仕事を転々とし、パチンコや酒に逃げる生活をして、母を苦しめ死なせた父にも苛立ちを隠せない日々を送っていた。やがて純は、河原でドラムの練習をするキム・ヨンチョル(ハ・ヨンジュン)と出会う。純のバンドに参加することになったヨンチョル。二人はしだいに友情を深めていくのだった。そんなある日、ヨンチョルは町で大人たちに暴行を受ける。ヨンチョルが朝鮮人であることを知り、暴行をエスカレートさせていく大人たち。そこへ一人の男がヨンチョルを助けに入る。その男は純の父・加納靖史(奥田瑛二)だった。そんな加納の姿にヨンチョルは、いつも自分を助けてくれた亡き兄・ヒョンジェの姿を重ねるのだった。一方、本屋に入った純は、そこでたまたま手にした週刊誌を見て愕然とする。そこには11年前の、あの川崎シージャック事件のことが書かれていた。自分の父がかつて警視庁狙撃隊員で、ただ一人発砲し犯人を射殺したことを知った純。どうしようもない混乱と怒りを父親にぶつけ、家を出てしまう。ヨンチョルもまた、自分の大切なヒョンジェ(兄)を殺したのは、純の父であったことを知る。ヨンチョルの兄は、あのシージャック犯人だったのだ。複雑な気持ちで葛藤するヨンチョル。しかし、兄のかつての仲間たちの報復計画を知ったヨンチョルは加納の元へ走り、加納に逃げるように伝えるが、加納は「もう逃げることに疲れた」と言い、夜の街に姿を消してしまう……。
「ヒョンジェ」の解説
川崎シージャック事件を起点に1970年代の大阪を舞台にした、日本人と在日朝鮮人との間の深い亀裂を乗り越えて共に生きようとする人間ドラマ。監督は、『水戸黄門』『八百八町夢日記』『逃亡者おりん』など数々のドラマを手がけてきた井上泰治。出演は、「海と毒薬」の奥田瑛二、「colors カラーズ」の高野八誠、「パッチギ!」のハ・ヨンジュン、「県警強行殺人班 鬼哭の戦場」の松方弘樹ほか。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2008年1月19日 |
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キャスト |
監督:井上泰治
出演:奥田瑛二 高野八誠 ハ・ヨンジュン 芳賀優里亜 石倉三郎 佐川満男 金山一彦 坂上香織 前田五郎 松方弘樹 |
配給 | フリー・スタイル |
制作国 | 日本(2006) |
上映時間 | 86分 |
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